ひな壇状の墓地で解体工事。雨で作業を中断しました
2026年11月4日(水)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
今日は、東京都稲城市の寺院墓地で
お墓の解体工事に行ってきました。
このところ、
解体工事のご依頼が多くなりました。
その中でも、比較的広いお墓や、連結のお墓、
あるいは墓地の近くまで
カニクレーンを入れることが難しいお墓など、
時間がかかる現場が続いています。
たまたまなのでしょうが、
なんだか不思議なものです。
一度工事に入ったら、なるべく続けて
終わらせたいという思いもあります。
一方で、建墓や修繕の仕事も進めていくため、
工程のやりくりがなかなか難しいところです。
そんな中、今回のお墓も
ようやく今日から取り掛かることができました。
今回のお墓は、斜面を利用してひな壇状に
造られた墓地にあります。
下側の墓所との高低差があり、
すぐ上には斜面が迫っています。
この高低差と斜面に気を配りながら
作業を進める必要があります。

今回のお墓は、他社が施工したものです。
地上に見えている部分はある程度分かりますが、
土の中がどのような造りになっているのかは、
実際に解体を進めてみなければ分かりません。
また、今回のようなひな壇状の墓地では、
上の段のお墓そのものが、下の段に対する
土留めの役割を担っている部分もあります。
昔のお墓では、外柵の下にある根石部分を
コンクリートで造っていることも
よくありました。
今回のお墓も、そうした造りになっています。

特にお墓の右側の部分は、
上の斜面の土留めを兼ねている状態
ではないかと考えています。
ここを取り除いてしまえば、
上の土が崩れる恐れがあります。
もっとも、左側のように下の方から
コンクリートが立ち上がっているかどうかも、
現段階では分かりません。
一方、左側の部分は
ある程度まで撤去する予定です。
お墓の解体工事では、石塔や外柵などを撤去し、
基本的には更地に戻していきます。
しかし、こうしたひな壇状の墓地では、
周囲の土留めとの関係も考える必要があります。
どこまで撤去し、どこから残すか。
実際に解体を進めながら、
地中の構造や周囲の状態を確認し、
最終的な撤去範囲を判断することになります。
そのあたりについては、
お寺さんとも相談しながら進めます。
そして、今回もう一つ大変だったのが、
クレーンの搬入です。
墓地の通路が狭く、入口も段違いになっていて
カニクレーンを現場の近くまで
入れるのもひと苦労。

途中の階段にブリッジを掛け、養生をして、
何とか墓所の近くまで搬入できました。
解体と搬出を進めるにつれて、
それまで石材に隠れていたコンクリートの
根石部分も姿を現してきました。
この後は納骨室を解体し、
根石部分の状態などを確認しながら
必要な部分の撤去へと進んでいきます。

ところが、途中から雨が降り始めました。
予報よりも少し早めです。
しばらく様子を見ながら、
作業を続けるかどうか判断していましたが、
今日はここで中断することにしました。

石屋の仕事では、重量のある石材を
クレーンで吊り上げる場面が数多くあります。
磨かれた御影石を扱うことが多く、
雨が降ると十分な注意が必要になります。
磨いた石の表面は、
濡れると滑りやすくなるからです。
さらに解体作業中には、
石の表面に土や砂、石粉などが付着します。
これが要注意。
その状態で石を吊り上げるのは、危険です。
吊り具が滑ったり、石がずれることで、
吊り荷が落下しかねません。
周囲には、ほかのお墓が建っています。
もしそこで石を落としてしまったら、
大切なお墓を壊してしまうかもしれません。
クレーンのアウトリガーなどに落ちれば、
機械を破損させる恐れもあります。
そして何より怖いのは、人への被害。
何百キロという重さの石が足の上に落ちたら、
どうなるか。
考えただけでも恐ろしいことです。
だからこそ、雨が降り始めたときには、
安全に作業を続けられる状態かどうかを
慎重に判断しなければいけません。
今日の解体工事は、まだ始まったばかり。
これから本格的な作業が続きます。
ここで無理はできません。
工事を進めることも大切ですが、
安全に仕事を終えることは、
もっと大切なことですから。
お客様から託された仕事だからこそ、
最後まで無事に終える。
そして、作業する私たち自身も、
怪我なく仕事をまっとうする。
つまり、明日も元気で作業するために、
今日はやめる。
こうした判断も仕事のうちと考えます。
さてさて、それでは続きはまた、
天候の回復を待って進めていくことにします。
では。
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