壊すだけでは済まない、連結外柵のお墓の解体工事
2026年10月9日(金)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
今日、多摩区の寺院墓地にて
お墓の解体工事に着手しました。
今年の4月に、
お墓の解体や墓じまいの見積もりが、
簡単ではない理由という記事を書きましたが、
その現場です。

こちらのお墓です。
二軒のお墓が隣り合っていて、
外柵は二軒分がつながった造りになっています。
今回解体するのは向かって左側のお墓。
右側のお墓はそのまま残すのですが、
困ったことに、二軒で外柵を共有して、
真ん中に仕切りの石はありません。
つまり、左側のお墓がなくなると、
残る右側のお墓の左側は、根石や
その上に載る石がない状態になってしまいます。
あ、ここで言う根石とは
お墓の基礎コンクリートの上に直接据わる石
のことです。腰石というところもあります。
そこで、左側の外柵を解体する際に、
使える石を取り外して再利用し、
右側の墓所に移設する計画です。
つまり、何でもかんでも壊して
撤去すればいいという仕事ではないんです。
再利用する石を選びながら、
取り外していく必要があります。
今回の外柵に使われているのは
栃木県産の芦野石。
古くからお墓の外柵などに使われてきた
石ですが、この芦野石、
モルタルとの相性が非常によく、
実によくくっついているんです。
そのため、再利用する予定の石は、
目地にドライカッターを入れるなどして、
慎重に縁を切りながら取り外していきます。

ただ、それでもすべて思いどおりに
外れてくれるとは限りません。
なるべく丁寧に外していたのですが、
目地で取れずに、割れてしまいました。

写真で白っぽく見えているところが、
想定外の場所で割れてしまった部分です。
石とモルタルが強くくっついているため、
取り外そうとした時に、
こちらの思惑とは違うところに
力がかかってしまうんですね。
こうなると、当初の予定どおりに
石を再利用できるとは限りません。
取り外す順番や、どの石を使うのかも
その都度考えながら進めることになります。
そして、苦労して取り外せたとしても、
そこからまた、ひと勝負。
石には古いモルタルが
しっかりとくっついています。
これを一つずつケレンして落とし、
再び据え付けられる状態にしてやらなければ
なりません。
取り外すのにも手間がかかり、
外した石をきれいにするのにも
また手間がかかるわけです。
普通の解体工事なら、
壊して搬出することを考えればいい。
しかし今回は、残す墓所のことを考えながら、
再利用する石をできるだけ傷めずに取り外し、
さらに据え付け直すための準備作業まで
必要になります。
実際に作業してみると、
やはり一筋縄ではいかないなという感じです。
一口にお墓の解体といっても、
現場によって作業の内容は、ずいぶん違うもの。
今回の工事は、まさにそんなことを
ご理解いただける一例だと思います。

まだ作業は始まったばかり。この先も、
なかなか手間のかかる工事になりそうです。
では。
関連記事
今回のお墓については、以前にもブログで紹介しています。
・お墓の解体や墓じまいの見積もりが、簡単ではない理由
・家のお墓は終わっても、弔いは続いていく
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