和型石塔と、8基の古い石塔を据え付けました~川崎市多摩区・お墓の移転工事~
2026年10月1日(木)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
今日は、ようやく晴れてくれました。
9月の初めには、移転元となる内墓地の
解体と石材の搬出まで終わっていたこの工事。
移転先の墓所は、あとは持ち帰った石塔を
据え付ければ形になる、というところまで
来ていました。
ところが、彼岸前から雨の日が続き、
彼岸が明けてからも雨にたたられました。
石が濡れた状態では、
据え付け作業はできません。
天気を見ながら待っている間に、
会社では移設する石塔の水垢や汚れを落とし、
古い石塔も高圧洗浄。
準備だけはしておきました。
そして今日、やっと寺院墓地へ石塔を運び、
据え付けを行うことができました。

まず据えたのは、中央に建てる
黒御影石の和型1尺角石塔の、中台です。
もともと内墓地に建っていた石塔です。
それを、そのままこちらへ移してきました。
中台を据えたら、続いて左右に
古い石塔を並べ、据え付けていきます。
この古い石塔は、もともと内墓地に
17基もありました。
ただ、寺院墓地は内墓地とは広さが違い、
納められる数に限りがあります。
そこで、残す石塔はお施主さんに
選んでいただきました。
長い年月で風化が進み、形が崩れてしまった
ものもあります。
その中から、きちんと形を保っているものや、
ぜひ残しておきたいというものを選び、
最終的に、この8基になりました。
残りの石塔は、残念ですが
片付けることになりました。
形あるものですから、
いつまでも同じ姿で残るわけではありません。
これは仕方のないことだと思います。

正面から見て左側には、
俗に「姿仏」などと呼んでいる
古い石塔を中心に並べました。
舟形の石に仏様の姿を刻んだもので、
地蔵菩薩、観音菩薩。
一番手前の立てひざで、
ほおづえをついているのは如意輪観音ですね。
長い年月で欠損している部分もありますが、
仏様の姿は今もしっかり残っています。
そして、右側にも古い石塔を据えました。

こちらは比較的近いご先祖の石塔です。
左右の古い石塔が据わったところで、
最後に、黒御影石の上台と竿石を据えました。
いつもと同じように、
種類の違う接着剤を併用して据え付けます。

さて、今回は古い石塔を高圧洗浄したことで、
今まで汚れで読みづらかった文字や年号も
ずいぶん見えるようになりました。
その中には、
「寛文」と刻まれた石塔もあります。
ほかにも「元禄」や「宝永」の元号も。
寛文は1661年から1673年。
今からおよそ360年ほど前になります。
360年ほど前に建てられた石塔が、
今でも形を保ち、こうして新しい墓所へ移せる。
石というものは、改めてすごいものだなと
思います。

中央には、これまで手を合わせてきた石塔。
その両側には、さらに前の代から残されてきた
古い石塔。
お墓の場所は変わりましたが、
残せるものは残しつつ、これからもここで
手を合わせていくことになります。
さて、石塔の据え付けまで終わり、
移転先の墓所はだいぶ形になってきました。
しかし、今回の工事はまだ続きます。
明日は、元の内墓地で土葬掘りの作業に入る
予定です。
この作業も、雨天続きでずいぶんと
日延べを強いられました。
ここからは、どうか順調に進んでほしいです。
では。
【関連記事】
①内墓地から寺院境内へ。石塔を受け継ぐ移転と基礎工事
②外柵据え付け前の下ごしらえ
③外柵の下回りが据わりました
④補強金具の取り付けと敷石据え付け
⑤羽目石が据わり、外柵がほぼ完成しました
⑥芝台と台石が据わり、移転準備が完了
⑦内墓地の解体に取りかかりました
⑧内墓地の解体、順調に作業中
⑨内墓地の解体が終了、残材と機械を搬出
⑩和型石塔と、8基の古い石塔を据え付けました
⑪土葬掘りを終え、お墓の引越しが完了しました
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