夏のお墓掃除は、どうか無理のない範囲で
2026年7月3日(金)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
7月に入りました。
まだ真夏本番というほどではありませんが、
来週の中ごろから後半にかけては、
かなり暑くなってきそうです。
7月盆を前に、
お墓の掃除に行こうと考えている方も
多い時期だと思います。
そこで、夏のお墓掃除で
一番気をつけてほしいことを今日は書きます。
それは石の汚れよりも、人の体ということです。
夏の墓地は、想像以上に暑くなります。
日陰が少なく、
石も日差しを受けて熱を持ちます。
素手で触れないくらい熱くなります。
私たち石屋も、仕事で慣れているつもりでも、
真夏の現場はこたえます。
空調服を着て、パラソルなどを立てて
備えていてもです。
年に何度も行く場所ではなく、
慣れない作業を炎天下でする。
これだけで、熱中症の条件はそろっています。
だからこそ、夏のお墓掃除は、
基本的に水洗いと拭き上げで十分です。

まずは砂ぼこりなどが付いていたら、
払ってください。
そして柔らかいスポンジや雑巾で、
上から順に水拭きする。
文字の彫ってある部分は、
使い古しの歯ブラシで軽く掃除する。
花立や線香皿を外して洗う。
これだけでも、ずいぶんきれいになります。
あとは最後に、乾いたタオルで
水気を拭き取れれば、もう言うことありません。
濡れたまま帰ると、水道水の成分が乾いて残り、
水垢のもとになります。
基本的には「水をかけて終わり」ではなく、
「拭いて終わり」です。
それと、家庭用の洗剤はあまりお勧めしません。
特に酸性の洗剤では、石に悪影響があります。
酸性・中性・アルカリ性を問わず、
洗剤の成分は、よく洗い流さなければ
石に染み込んでしまいます。
本来なら、洗剤を使った後は
大量の水で洗い流さなければいけません。
でも、お参り途中のお掃除で
そこまでするのは難しいですよね。
流しきれずに残った成分が、
シミや変色のもとになるくらいなら、
はじめから使わない方が無難かなと思います。
金属たわしや硬いブラシも同じです。
磨いた石の表面に、
細かい傷をつけることがあります。
お供えものにも、気をつけたいことがあります。
故人が好きだったからといって、
ジュースやお酒を石にかけるのも
お勧めできません。
糖分や色素が残ればシミになりますし、
缶をそのまま置いて帰ると、
サビが石に移ることもあります。
お供えしたものは、
帰るときに持ち帰ってください。
そして、水洗いで落ちない汚れは、
無理に落とそうとしないことです。
力で何とかしようとすると、
石を傷めるだけです。
そういうときは、石材店に相談してください。
汚れなのか、経年変化なのか。
見分けるところからが、私たち石屋の仕事です。
いずれにしても、きちんと掃除をしていても、
自然についていく汚れというのはあります。
雨に打たれ、日に照らされて、
石は少しずつ表情を変えていきます。
それはある意味、仕方のないことです。
普通に拭き掃除を続けていれば、
磨きの艶はちゃんと残ります。
ただ、建てたての新品の状態が
ずっと続くわけではありません。
でも、それでいいと思います。
一から十まで、細かいところまできれいに。
それも悪くはありませんが、
夏の暑い時期にそこまでやる必要はありません。
お墓は逃げません。
掃除に夢中で体調が悪くなっては、
肝心のお参りができません。

それと、お参り、お掃除ともに、
行くなら朝の涼しい時間がいいです。
今の夏は、夕方といっても
なかなか涼しくなりません。
帽子と飲み物を持って、無理をせず、
休みながら。
できれば一人ではなく、
どなたかと一緒に行ってください。
作業を一人でするか、二人でするか。
これだけでもだいぶ違うはずです。
繰り返しになりますが、最後にお伝えします。
お墓をきれいにすることも大事ですが、
お参りをして気持ちよく、無事に帰ることが
何よりも大事なことです。
夏のお墓掃除は、どうか無理のない範囲で。
では。
【あわせてお読みください】
お墓の掃除については、以前の記事でも触れています。
無理に一度で落とそうとしないこと、早めに軽く手を入れることについて書いた記事です。
・自分でお墓掃除をするのなら・・・頑張りすぎないのもコツの一つ
・お墓の汚れは早めにお掃除。麻生区の寺院墓地でのご納骨にて
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