兄弟や親戚同士でお墓の外柵を共有する前に。後の代が困らないために

2026年6月8日(月)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

先日、お客様から新しくお墓を建てるご相談を
いただきました。

詳しい事情は書けませんが、
親戚同士で隣り合う墓所に、
お墓を建てる予定があるとのことでした。

その中で、
二つの墓所を一つにまとめて外柵を作り、
その中にそれぞれの石塔を建てるという案が、
ご親戚の間で出ているというお話でした。

こうした形は、
昔は決して珍しいものではありませんでした。

兄弟や親戚同士で隣り合う墓所を使い、
一つの外柵の中に二基の石塔を並べる。

真ん中に仕切りを入れる場合もあれば、
仕切りを入れずに、ひとまとまりのお墓として
作る場合もありました。

親戚同士で外柵を共有する形と、別々の外柵で建てる形の違い

昔のお墓を見ていると、
そうした形は今でも残っています。

それが合理的な選択とされる時代が
確かにあったのです。

この形では、一軒一軒が別々に外柵を作るより、
費用が多少抑えられることもあります。

真ん中の仕切りがない分、
墓所を広く使えるという考え方もありました。

親戚同士の付き合いも今より近く、
同じ地域に暮らしていることも多かった。

そうした時代には、
その時代なりの理由があったのだと思います。

ただ、今から新しくお墓を建てる場合には、
この方法は、私はあまりおすすめしていません。

一言でいえば、時代が変わったからです。

家族の形も変わりました。
住む場所も変わりました。

兄弟の代ではよくても、その子の代、
さらにその次の代になると、
親戚同士の関係は少しずつ薄くなっていきます。

遠方に引っ越して、
ほとんど行き来がなくなることもあります。

一般的な話として、
代が替わる中で考え方が変わったり、
宗教や宗派が変わったり、
場合によっては関係がうまくいかなくなる
こともあります。

お墓は、
建てた時がゴールではなく、
何十年も先まで続いていくものです。

最初に建てる時には
「一緒でいい」と思っていても、
後の代になった時に、それがかえって
扱いにくい形になることがあります。

過去には実際に、そうしたお墓の解体や
改修をしてきた経験もあります。

二つの墓所を
一つにまとめて作ってあるお墓の場合、
一方だけを直したい、一方だけを撤去したい
となった時に、
簡単に分けられないことがあります。

そうしたとき、外柵が一体になっていると、
思わぬ問題が表に出てきます。

石が互い違いに組んであることで、
残す側に関係する石まで外さなければならない
場合があります。

仕切りが入っていない場合には、
片方を撤去した後、
盛り土が流れないようにするための
手当ても必要になります。

二軒で連結していたからこそ
成り立っていた部分が、
片方を撤去することで崩れてしまうのです。

さらには、入口が真ん中に作られていれば、
それをどうするかという問題も出てきます。

一般の方が考えるより、
ずっと大がかりな工事になることが多いです。

建てる時に多少費用が抑えられたとしても、
何十万円も大きく変わる話ではありません。

それに対して、
将来の解体や改修で余計な手間がかかれば、
結果として高くつくこともあります。

もちろん、お金だけの問題ではありません。

後の代の人が、
どう扱えばよいのか分からず困ってしまう。
片方の家だけの都合では決められなくなる。

そうしたことまで考えると、
今から新しく建てるお墓としては、
あえて二つの墓所を一つにまとめる必要は
少ないと感じています。

今回のお客様にも、そのようにお話ししました。

昔はよくあった形です。
決して悪いやり方だったわけではありません。

ただ、今の時代に新しく建てるなら、
後で分けることができる形にしておいた方が
よいと思います。

お墓は、建てる時の都合だけで
考えないほうがよいと思います。

今の家族だけでなく、
次の代、その先の代がどう受け継いでいくか。

そこまで考えておくことが、
結果として無理のないお墓づくりにつながる。

私はそう考えています。

では。


※将来を見据えて、兄弟の墓所の基礎をあえて独立して作った施工事例と、解体に関する記事はこちらです。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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