9寸角の和型石塔を建てました~明るいZMFとトラディショナルな形の良さ~

2026年7月23日(木)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

今日は、9寸角の和型石塔を建ててきました。

昨日据え付けた芝台を一日置き、
その上に石塔本体の石を重ねていきます。

9寸角の和型石塔を据え付ける

石を据える前には、
接着する合口の埃をきれいに払い、
パーツクリーナーで汚れや油分を落とします。

接着剤の力を十分に生かすには、
接着面がきれいな状態であることが大切です。

芝台の上に置く接着剤は二種類。
ブチル系と変成シリコン系を使います。

接着力だけでなく、
油染みなどが石の表面に出ないよう、
それぞれの性質に合わせて使い分けます。

さらに、夏場の据え付けでは、石の温度にも
気を使います。

石が直射日光で過熱した状態で
接着剤を使うと、表面に早く膜が張り、
接着や仕上がりに影響します。

そのため、会社から現場へ運ぶ途中も、
現場に着いてからも毛布などをかけ、
据え付ける直前まで、石の温度上昇を抑えます。

こうした準備をしたうえで、
芝台の上に石塔本体を据え付けます。

また、昨日据えた墓誌台に墓誌も取り付け、
無事に今回の建墓工事を終えることができました。

明るく、汚れも目立ちにくいZMF

今回使った石は、インドのZMFです。

白と黒、あるいは濃いグレーの
中間にあるような、明るい色合いの石です。

石塔として建ち上がると、墓所全体も
明るく感じられます。

濃い色の石が好きな方には、少し色が薄いと
感じられるかもしれません。

ただ、長く使っていくことを考えると、
汚れが比較的目立ちにくい色でもあります。

私は石の色を説明するとき、
よく車の色の話をします。

黒い車は、きれいに洗った直後など、
手入れの行き届いた状態では、
とても見栄えがします。

その一方で、砂ぼこりや水垢がつくと、
どうしても汚れが目につきやすくなります。

洗車などでついた細かな傷も、
濃い色の車ほど目立ちます。

それは石も同じです。

真っ黒な石や濃い色の石は、
建てたばかりのときには艶があり、
大変よく映えます。

ただ、年月がたって水垢や汚れがつくと、
その跡も目立ちやすくなります。

白い石は、水を含んだ部分が濃くなって
見えやすく、水垢や苔などの色も目立ちます。

ZMFのような中間色は、
黒い石や白い石と比べ、水垢や汚れなどが
気になりにくいところがあります。

グレーの車は汚れが目立ちにくいと
よく言われますが、それに近いイメージです。

トラディショナルな和型石塔の良さ

すべての作業を終え、
少し離れた場所から石塔を見ました。

三段の台石の上にさお石が立つ、
昔ながらの和型石塔の姿には、
落ち着きが感じられます。

洋型石塔にも、もちろん良さがあります。

背が低く、横に広がる姿が
墓所によく合うこともあります。

お墓の形は、周囲に建つお墓との関係により、
見え方が変わります。

和型が多く建つお寺の境内墓地では、
和型石塔は、周囲の景色によくなじみます。

そして、長く建てられてきた中で、
石の高さや幅、全体の割合も、ある程度
定まっています。

そのため、使う石の種類や色目を選べば、
建ち上がった姿も比較的想像しやすい。

洋型石塔は自由度が高く、
さお石の形や高さ、台石の段数によって、
出来上がりの印象も大きく変わります。

図面ではよく見えても、実際に墓所へ建てると、
想像していた姿と違って見えることもあります。

思い描いていた姿から大きく外れにくいことも、
和型石塔の良さだと思います。

和型石塔は地震に弱いのか

背の高い和型石塔を見て、
地震を心配される方もいます。

すべて同じ条件で比べれば、洋型石塔の
重心の低さが有利に働く部分はあるでしょう。

ただし、です。

昔のお墓と今のお墓では、
石の留め方が大きく変わっています。

以前は、石と石の間をセメントで留める施工が
一般的でした。

施工後、長い年月を経たお墓では、
セメントの力が弱くなり、
石が上に載っているだけに近い状態に
なっていることがあります。

その状態で大きな地震が起きれば、
背の高い和型石塔が、
より倒れやすいこともありえます。

現在は、この記事でも書いたように
合口の清掃や脱脂を行い、
石材用の接着剤を使って据え付けています。

こうした施工であれば、縦長の形だけを見て、
倒れやすさを過度に心配する必要はないと
私は思います。

きちんと据え付けた和型石塔が倒れるほどの
大きな揺れであれば、少なからず洋型石塔にも
影響は及ぶはずだと考えるからです。

形の違いも、もちろん無視はできませんが、
どのように据え付けてあるかも大切です。


さて、久しぶりに建てた9寸角の和型石塔。

使用したZMFの色合いも、
今回の墓所によく合いました。

明るさの中にも落ち着きのある、
よいお墓になったと思います。

では。


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※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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