継ぐ人がいないなら、お墓は建てない方がいいのか

2026年9月2日(水)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

今日、ネットでこんな記事を読みました。

母親が亡くなったが、お墓がない。
墓じまいのことまで考えると、
今から建てる必要があるのか迷っている。

そういう相談に答える記事です。

書かれていることは、もっともなものです。

将来そのお墓を誰が引き継ぐのか。
引き継ぐ本人に、その気があるのか。

子どもがいるから任せられると決めてかかると、
あとで困ることになる。

承継者が要らない方法として、樹木葬や納骨堂、
永代供養墓も挙げられていました。

焼骨を墓地以外の場所に
埋蔵することはできないことや、
別の場所へ移すときには改葬の許可が要ること。

そのあたりも正確に書かれていると感じました。

ただ、読み終えて、私は少しがっかりしました。
必要なことがきちんと書かれているからこそ、
もう一つ、と思ってしまったのです。

つまり、記事の大半が、
将来の管理と手続きの話でできている。

誰が継ぐのか、いつ墓じまいになるのか、
そのときどんな許可が要るのか。

その並びのまま最後まで行くので、
継ぐ人がいないならお墓は建てないほうがいい、
と読める形になっています。

確かに、将来の管理や手続きについても
書かれていたほうがいいでしょう。

ただひとつ。私はこう思うのです。

継ぐ人がいるかどうかは、必ずしも
お墓を建てるかどうかを決める条件ではない。
お墓をどう持つかを考えるための材料です。

※画像は、本文中の実例とは別のお墓を水彩画風に加工したものです。

以前に、こんなお墓を
建てさせていただいたことがあります。

ご高齢のご主人が、先に亡くなられた
奥様のために建てられたお墓です。

いずれはご自分もそこへ入られる。

お子さんはいらっしゃいますが、
そのお墓を、自分たちの墓として
使う予定はありません。

お子さんは、
自分たちが元気なうちはお墓参りや
管理をして、その先は解体する。

そう話し合ったうえで建てられたお墓です。
つまり、代々継いでいくお墓ではありません。

それでも、このお墓は要るものでした。

ご主人は、奥様を
そこへ納めることができました。

そして、いずれご主人がそこへ入られたあと、
お子さんたちが手を合わせに行く
「場所」が残ります。

何代にもわたって残していくお墓だけが、
お墓のあり方ではないと思います。

自分たちの代で使い、その先は墓じまいをする。

そういう前提で建てるお墓があってもいいと、
私は考えます。

もちろん、そうするのであれば、
その先のことまで考えておく必要はあります。

その墓地では、承継する人がいなくなったあとの
遺骨をどう受けているのか。

寺院墓地なら、境内に永代供養墓があるのか。
霊園なら、そういう区画が用意されているのか。

遺骨の行き先が決まっていても、
一般のお墓であれば、
墓石を撤去して墓所を返すことになります。

その方法は墓地ごとに違いますので、
そこは確認しておくといいです。

先に理解していれば、
その後の見通しを持ったまま建てられます。

それに、承継者を必要としないとされる
樹木葬や納骨堂でも、一定の期間が過ぎたあとに
合祀へ移る仕組みのものは少なくありません。

一般のお墓だけが、
最後のことを考えておかなければ
ならないわけではありません。

継ぐ人がいない。

その一点だけで
お墓を建てないと決めてしまう前に、
確かめておけることは、まだあると思うのです。

では。


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