和型・洋型・デザイン型、そして五輪塔。自分たちに合う形の選び方
2026年5月25日(月)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
お墓の石塔の形を選ぶとき、
何を基準にすればいいかわからない、
という方は少なくありません。
和型、洋型、五輪塔、そしてデザイン型。
それぞれに違いはありますが、
どれが正解という話ではありません。
今日はそのあたりを整理してみます。
形の選び方に、決まりはない
カタログやネットで
「和型と洋型の違い」を調べると、
縦長・横長、文字の入れ方、価格帯といった
項目が並んでいます。
それはそれで参考にはなりますが、
実際の選び方は必ずしも、
そういうものではないと思っています。
最初から「和型にしたい」とか「洋型がいい」
と決めておいでになる方もいれば、
洋型のつもりで来て、
うちの展示や施工写真を見て
気持ちが変わる方もいます。
実際に、洋型でお見積もりを進めていた方が、
展示の五輪塔を見て、最終的に
そちらを選ばれたということもありました。
形を「比較検討して最適解を導く」というより、
自分たちの気持ちと照らし合わせながら
納得していく作業に近いと感じます。
だから、もし迷っているなら、
迷ったままお店に来てもらって構いません。
墓地の景色の中で考える

和型石塔と洋型石塔が並ぶ墓地の景色
形を選ぶときに意外と見落とされがちなのが、
建てる墓地の景色との関係です。
お寺の墓地には、周りに和型の石塔が
ずらりと並んでいることが多い。
そこに洋型の石塔を建てると、
背が低く感じたり、小さく思えたり
する可能性もあります。
それが悪いということではありませんが、
完成したときの景色として
想像しておく必要はあります。
逆に、
霊園の一平米程度の区画では
洋型が主流になっています。
そこに和型を建てると、
今度は逆に目立ちます。
それを個性と取るか、
違和感と取るかは人によります。
また、洋型を選ぶ人からは、
「洋型は地震に強いから」という話を
よく聞きます。
確かに石塔の背丈が低い分、
重心が下がるのは事実です。
ただ、本当に大きな地震が来たとき、
洋型なら倒れず、和型だけが倒れる
という保証はありません。
どちらも被害を受けることはあります。
そして地盤が傷めば、形にかかわらず
お墓に影響が出ることもあります。
もしあなたが、地震への不安だけを理由に
形を決めるのだとしたら、
少し立ち止まって考えてほしいと思います。
「洋型の方が安い」は必ずしも正しくない
洋型を検討する理由のひとつに、
「和型より安そう」というイメージを
持っている方がいます。
石の使用量だけで比べれば、
確かにそうなる場合もあります。
ただ、
文字彫りの代金は別の話です。
和型は直方体に近い形なので、
運搬も彫刻作業も比較的扱いやすい。
洋型は横に広く、厚みのある形のため、
運ぶにも作業するにも手間がかかります。
その分、文字彫りの職人手間は
洋型の方が高くなることもあります。
そして、もう一点。
国産の石材を使う場合です。
洋型の竿石、つまり、
文字を彫る正面の部分は
斜めに加工する工程が入ります。
石は自然の産物のため、
四角く切った段階では問題なくても、
斜めに切ったときに、白玉・黒玉などの
石の目が出てくることがある。
もし、墓石として使うのがはばかられるような
石目が出た場合、そこまで加工した石は
全て無駄になります。
そのリスクが織り込まれているため、
洋型の竿石は通常の部材より
単価が割増になることが多いです。
つまり、石の量の差と
字彫り代・加工代の差が相殺されて、
最終的な価格はあまり変わらない、
あるいは和型の方が安くなるということは
決して珍しくありません。
形を価格だけで選ぼうとしている方は、
その点も踏まえて考えてみてください。
30年後の景色
今、川崎市内の霊園を見ると、
特に新しく造成された一平米の区画では
洋型が非常に多くなっています。
そして寺院墓地でも
徐々に多くなってきています。
もちろん、お客様が洋型を選ぶことに
異議を唱えるつもりはありません。
ただ、
「和型は古臭いから」という理由だけで
洋型を選ぼうとしている方には、
一言お伝えしておきたいことがあります。
30年、40年後、
洋型が立ち並ぶ区画を見た人が、
「ああ、この時代はこれが流行っていたんだな」
と感じる可能性はあります。
流行は必ず時代の色がつくからです。
お墓は何十年も残るものなので、
その形を選ぶ際には、今の流行よりも、
自分たちがどういう形を残したいかという軸で
考えてほしいと思います。
流行は移りますが、
納得して選んだ形は残ります。
五輪塔やデザイン型について
和型・洋型に並んで、
五輪塔という選択肢があります。
一般の方が最初から候補に挙げることは
多くありませんが、
仏塔としての完成度という点では
最高の形のひとつです。
以前に、
「五輪塔は供養塔。だから家の墓としては
建てられない」と言われたという話を
耳にしたことがあります。
ただ、そんなことはありません。
五輪塔は本墓として建てていい形です。
むしろ、五輪塔でお墓を建てられることは
とても幸せなことだと、私は思っています。

犬島石の五輪塔
うちに来て五輪塔を選んでいただいた方も
そこそこいます。
最初から希望してくる方もいれば、
自然石のお墓を考えていたのが、
叩き仕上げの五輪塔の手触りや表情に惹かれて、
という方もいます。
知らなかっただけで、
見てみたら自分たちに合っていた
ということは起きます。
なお、
和型・洋型・五輪塔などの定型にとらわれず、
デザイン型と呼ばれる石塔を選ぶ方もいます。
下の写真は、
淡い桜色の国産石である万成石を使った
デザイン型のお墓を建てていただいた事例です。

万成石を使ったデザイン型石塔
決めるのはご自身です
和型には和型のよさがあり、
洋型には洋型のよさがあります。
五輪塔やデザイン型にも、
それぞれの考え方があります。
「これにしなさい」とは言いません。
実際に見て、触れて、ご家族で話し合う中で、
気持ちが定まっていくこともあります。
必要であれば、
これまで当店で建てさせていただいたお墓を
現地で見ていただくこともできます。
お墓は、先祖と子孫が心を通わせる場所です。
だからこそ私は、
「お墓は幸せのシンボル」という言葉を
大切に思っています。
建墓の際には、
どうか、思い込みや流行ではなく、
本当に自分たちに合った形を
選んでほしいと思っています。
では。
川崎市多摩区の寺院墓地で、明るい色合いの洋型石塔を建立しました
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※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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