墓石にお酒をかけても大丈夫? 石屋としてはおすすめしません
2026年9月4日(金)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
昨日、Yahoo!ニュースを見ていたら、
ちょっと気になる記事がありました。
紹介されていたのはホラー漫画。
お盆に久しぶりに帰ってきた長男が、
父親の墓石に液体をかけている。
一見すると何をしているのかと思う場面ですが、
実は亡くなった父親がお酒好きで、
墓石にお酒をかけていた、という話でした。

酒好きだった故人に、お酒を供えてあげたい。
その気持ち自体は、
何もおかしなことではないと思います。
ただ、石屋として一つ。
実際のお墓では、墓石にお酒を直接かけるのは
やめておいた方がいいです。
罰当たりだとか、
お参りの作法としてどうなのか
といったことではなく、
純粋に石への影響についての話です。
御影石は硬く見えますが、
水分をまったく吸わないわけではありません。
雨に濡れた墓石を見ると、
普段より石の色が濃く見えることがあります。
石の中に水分が入っているからです。
お酒も、その大部分は水分ですから、
墓石にかければ水分と一緒に石の中へ
入っていきます。
ただ、水だけとは違います。
日本酒やビールなどには、
水以外にもいろいろな成分が含まれています。
かけた直後には、
石の表面がベタつくこともあります。
さらに水分が蒸発したあと、
そうした成分が石の中や表面に残れば、
シミや変色につながることがあります。
これはお酒に限った話ではありません。
ジュースや缶コーヒーなども同じです。
実は、お墓の開眼供養などでは
お酒を使うこともあります。
墓所の四隅などにお酒やお米、
塩を撒くことがあり、
その際に石へお酒がかかることもあります。
そんなとき私は、供養が終わったあとに
たっぷりの水で洗い流しています。
少しかかったからといって、
その場ですぐにシミになるわけでもありません。
問題なのは、お酒の成分を
石に残したままにすることです。
もし墓石にお酒がかかったことに気づいたら、
できるだけ早く、水で流してください。
時間が経って石の中に成分が入ってしまうと、
あとから落とそうとしても簡単には落ちません。
場合によっては、シミや変色が
そのまま残ってしまうこともあります。
故人がお酒好きだったので、
お墓にお酒を供えたい。
そんな場合は、
ワンカップや缶ビールなどを
開封せずに供えるのがいいと思います。

お参りをしている間も、
倒れたり落ちたりしない安定した場所に
置いてください。
蓋やプルタブを開けてしまえば、
ちょっとした拍子に倒れただけでも、
中身が石の上へ流れてしまいます。
そして、お参りが終わったら必ず持ち帰る。
未開封だからといって、
そのまま置いて帰るのはおすすめしません。
人がいなくなったあとでは、風で倒れたり、
何かの拍子に落ちたりしても気づけません。
ガラスの容器なら割れることもあります。
そうなれば、お酒が石にかかったまま
長い時間放置されることになります。
また、缶を置いたままにすると、
材質によっては錆や腐食が起き、
その汚れが石に移ることもあります。
時折、映画やドラマ、漫画などでは、
酒好きだった故人のお墓に、
お酒をかける場面を目にすることがあります。
絵としては分かりやすいのでしょうね。
でも、実際のお墓では
真似をしない方がいいと思います。
お酒は石に染み込み、
その成分が残ればシミや変色につながります。
故人にお酒を供えるなら、墓石にはかけずに。
開封せずに供えて、
お参りが済んだら持ち帰る。
ちょっと覚えておいていただければと思います。
では。
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