墓じまいの解体をしながら、石屋として思うこと

2026年7月29日(水)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

ここのところ増えているのが、お墓の解体
――俗にいう墓じまいです。

今日も一日、解体でした。
明日はまた別の現場で、解体にかかります。

そしてそのあとにも、いくつか控えています。

正直に言えば、墓じまいは、
今の町の石屋にとって大事な仕事です。

新しくお墓を建てる方は、
昔にくらべれば少なくなりました。

そのなかで解体のご依頼をいただけるのは、
ありがたいことです。

ですから、いい加減にやることはありません。

中にはつながった外柵を切り分けるような
解体を行うこともあります。
建てるときと同様に、手を抜けない仕事です。

ご依頼くださる方は、たいてい、
いろいろな事情を抱えていらっしゃいます。

継ぐ人がいない。
遠くに住んでいて、もうお参りに来られない。

長く悩み、決心をして、手続きを済ませ、
うちに連絡をくださる。

そこまで来たからこそ、
できるだけ早くすべてを終えたいと
思われる方もいらっしゃるでしょう。

そのお気持ちは、よくわかります。

まず大切なのは、
納められたお骨を新しい行き先に
移すこと。

そこまで済めば、あとに残るのは
形だけになったお墓の解体です。
そこは、こちらで責任を持って進めます。

ただ、その解体がすぐには終わりません。

石を割って運び出すだけではなく、
周囲に気を配りながら、
強く接合された部分を壊し、
基礎コンクリートまで取り除いて、
墓所をもとの更地に戻す仕事だからです。

天気を見て、順番を組み、
ほかの現場との兼ね合いも考えながら進めます。

ですから、「少しお時間をいただきたい」と
お願いすることになります。

できない約束はしたくないので、
正直にそうお伝えしています。

――ここまでは、いつも書いている話です。

今日書いておきたいのは、その先のことです。

こうして解体工事が多くなると、
思うことがあります。

目の前の石は、しっかりと据えられていて、
まだ何十年でも残っていけるものも多い。

さして傷んでいるわけでも、
危ないわけでもありません。

それを、自分たちの手で、
一つずつ壊していきます。

お墓は、長く残るからこそ
石で建てるのだと思っています。

何代にもわたって、同じ場所に在り続ける。
それが石のお墓の特長です。

その一番の特長を理解している自分が、
まだ十分に残れるお墓を、壊す。
そこに、割り切れない思いがあるのも事実です。

今の時代、お墓の解体も必要な仕事です。
ご依頼には、誠実に向き合います。

ただ、それとは別に、
まだ長く残れたはずのお墓を壊すことに、
石屋として残念な思いも残ります。

この二つ、どちらも石屋の本音です。

それぞれのご家庭に、
それぞれの事情があります。

だから、墓じまいをするなとか、
しろとか申し上げるつもりは全くありません。

今日は、
そんなことを書いておこうと思いました。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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