接着剤施工のお墓を解体して分かること──解体工事は過去の施工の答え合わせ

2026年7月31日(金)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

先日に続いて、
今日もお墓の解体の話ではあります。

ただし、今回は少し角度が違います。

先日は、墓じまいが増えていることや、
解体を請け負う石屋として
思いのたけを書きました。

今日は、接着剤を使って施工した
お墓の解体工事についてです。

今回解体してきたお墓の石やコンクリートは、
処分するため、現在ダンプに積み込んでいます。

大きな廃材は、
細かく割って出さなければなりません。
それが処分場のルールです。

穴あけをしてセリ矢で小割りしていきます。

さて、今回解体したお墓は、
十数年前に私たちが建てたものです。

お墓の解体自体は、
昔から普通に行ってきました。

ただ、それは、古くなった外柵を
新たに御影石で建て直す工事の一環としての
解体作業。

つまり、モルタルで据え付けられた、
セメント施工のお墓の解体が中心でした。

ところが、最近になり、接着剤施工で
アンカーを使って補強したお墓を
解体することも出てきました。

そこで初めて、十数年前に使った接着剤が
どのような状態になっているのか。
アンカーが、きちんと役目を果たしていたのか。
打ち込んだ単管杭が、基礎を支えていたのか。

それらを、自分の目で確かめることが
できるようになりました。

そういう意味で、いま、
解体は過去の自分たちの仕事の
答え合わせでもあります。

お墓は、完成すれば
隠れてしまう部分も多いです。

石と石の接着面や、補強のアンカー、
土の中の単管杭。

それらが、きちんと施工されているかどうかは、
完成後に目で確かめられるものではありません。

だからこそ、石屋の仕事は
見えなくなる部分にも手間を惜しまないことが、
大切だと思っています。

今回、石を一つずつ外していくと、
接着剤が石の両面にしっかり残っているのが
わかりました。

石の面から接着剤が剥がれたのではなく、
接着剤そのものが、途中で
ちぎれるように切れていました。

それだけ石の面にしっかり食いついていた
という証明でもあります。

そして、施工時の接着面の清掃も十分だったと
いうことです。

アンカーも、施工したときのまま
しっかりと石を保持していました。
当然、サビなどの変化もありません。

単管杭も、基礎の下から出てきました。

十数年前、基礎コンクリートを支えるために
地中へ打ち込んだものです。

接着剤やアンカー、単管杭。
あの頃に施工したものが、
その後も当たり前に役目を果たしていたことが
分かりました。

もっとも、当時と現在とでは、
同じ施工をしているわけではありません。

使っていた接着剤は、
今使っているものとは種類が違います。

アンカーも、当時使っていたものは
直径8ミリでした。

現在は、直径10ミリのものを
標準にしていますし、
この十数年で、使う材料も吟味して
変えてきています。

それでも当時は、数ある材料の中からより良い
接着剤を選び、その時点で最善と思う施工を
していました。

いつも思うのですが、
今の材料や施工方法だけを基準にして、
昔の仕事のどこかが「足りなかった」と
切り捨てることはできません。

その時代、その時点でできる、
いちばん良い仕事をしたいと
いつも考えているからです。

そして今回解体して、その仕事が十数年の間、
きちんと役目を果たせていたことを
確認できました。

自分たちで建てたお墓を、自分たちの手で壊す。
それ自体は残念なこともありますが、
見えない部分に施した接着剤やアンカー、
単管杭が、十数年を経ても役目を果たしていた。

それを自分の目で確かめることができるのは、
貴重な検証と勉強の場でもあると考えます。

解体工事は過去の施工の答え合わせ。
今回はその答えに、
少しだけ満足できた思いがしました。

では。


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※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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