お墓じまいは、墓地を更地にして終わりではありません
2026年5月26日(火)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
昨日まで取りかかっていた
お墓の解体工事で出た残材の整理をしました。
墓地での作業は、すでに終わっています。
石塔を外し、外柵を撤去し、くぼみに土を入れ、
何も建っていない状態に戻しました。
墓地に行けば、
そこにあったお墓はもうありません。
見た目には、そこで解体工事は終わったように
見えると思います。墓地での解体作業は、
更地になれば一区切りです。
ただ、お墓じまいに関わる仕事全体で見ると、
そこですべて終わりではありません。
というのも、墓地から持ち帰ってきた石材が、
うちの置き場に残っているからです。
石塔、台石、外柵の部材、その他の石材。
墓地から引き上げてきたものは、
当然そのまま消えてなくなりはしません。
まず置き場に持ち帰り、
そこから改めて処分できる状態にしていきます。

大きな石は、
そのままでは処分場に持ち込めません。
重すぎるもの、大きすぎるものは
しっかりと小割りにします。
ただ、石は硬い。
当然叩くだけでは割れません。
必要に応じてドリルで穴をあけ、
セリ矢で割って
受け入れ可能な大きさにしていきます。
ドリルのキリもかなり消耗しますし、
穴をあけるのも楽ではない。
この作業が、なかなか手間がかかります。
また、
石には家名や戒名などが刻まれているので、
そうした石をどう扱うかにも、
当然気を配ります。
ただの廃材として雑に扱えばよい、
というものではありません。
必要な作業をして、必要な配慮をして、
処分できる状態にしていきます。
そのようにして、
小割りにした石をまたダンプに積み、
処分場へ運び込み、適正に処理してもらいます。
お墓じまいというと、
どうしても墓地で石を外して、
更地にするところばかりが
目に入りやすいと思います。
もちろん、
墓地での作業も簡単ではありません。
周囲のお墓に気を配りながら石を外し、
重機や道具を使い、安全に搬出する。
そこにも神経を使います。
でも実際には、その後があります。
持ち帰った石をどうするか。
大きな石をどう扱うか。
どのように積み込むか。
どこへ運ぶか。
そこまで含めて、お墓じまいに関わる仕事です。

「墓地が更地になったから終わり」
お客様から見れば、
そう見えるかもしれません。
でも、石屋の置き場では、
その後の仕事が残っています。
持ち帰った石材の処理、
積み込み、運搬、処分。
そうした見えにくい部分にも、
人手と時間と費用がかかります。
だから、お墓じまいにかかる費用は、
墓地で見えている作業だけで
決まるものではありません。
お墓は、建てるときにも手間がかかります。
そして、なくすときにも手間がかかります。
今日は、お墓をなくすにも、
これだけの手間と後始末があることを
知っていただきたいと思い、文章にしました。
では。
※墓じまいについて当店が考えていることは、以前の記事にも書いています。
【関連記事】
・実録・墓じまいの現場──解体作業と費用の背景
・その墓じまい、本当に今でいいの?──流されない墓じまいのすすめ
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