良いお墓をつくる。登戸に叩き仕上げの五輪塔がやってきた
2018年9月16日(日)
こんにちは。川崎市多摩区の吉澤石材店、吉澤光宏です。
四国高松からやって来ました。叩き仕上げの五輪塔です。
サンプルでも確認し、先月末には実際に高松まで加工途中の様子を確認してきました。
そうしたことで、組みあがれば風合いが抜群であろうことはわかっていました。だけど実物を前にすると、想像のさらに上を行っているなと感じました。
あくまでも一般的な話としてですが、叩いて仕上げた塔は、切削機で挽いて磨き上げたものと比べ、作るのにとても手間がかかります。
叩きといっても力任せにガンガン叩いてあるのではありません。部分部分に合ったノミを使い、叩き方も変えながら制作していきます。当たり前のことですが、細やかな感覚と秀でた技術が必要とされるのです。
手間がかかることで、制作コスト的には増してしまいます。それでもこの仕上げにはそれ以上の価値があると私は思います。
日の当たり方ひとつで全く石の表情も違って見えます。雨の日の朝、晴れの日の夕方等々、そのたびに違う石塔の顔を見せてくれるはずです。
叩き上げた白い石肌も、いずれ次第に黒ずみ、コケなども付いてくるかもしれません。しかし、叩き仕上げの石塔には、それすらも風合いを増す一つのスパイス。
年を経るごとに塔の持つ良さが増してくる。それが叩き仕上げの石塔なのです。
お施主様の想いが込められたこの塔も、今年の秋、来年の秋、そして5年後・10年後と、深みを増しながら成長していってくれるものと信じます。
そしてそうした願いを込め、お墓の工事に取り組んでまいります。
さて、誤解をされてはいけないので一つだけ。
私はなにも石が良いから良いお墓だとか、加工がいいから良いお墓なんだとか簡単に言いたいわけではありません。
良いお墓を建てるためには、やはりお施主様の亡き人の供養の気持ちが欠かせません。そして一基のお墓を作るのにかかわる大勢の職人たちの思い、手間を惜しまない丁寧な仕事も大切です。
それは車の両輪に例えてもいいかもしれません。
お施主様の気持ちがいくら強くとも、ぞんざいな仕事で納めてしまっては残念ながら良いお墓づくりとはいかないでしょう。
逆に、いくらお金をかけて最高の石・最高の仕上げを施しても、建てる人の気持ちがまるでなければ同じことだと考えます。
金額やカタチからは見えにくい、お墓づくりにかかわる人たちの「願い」や「思い」。これらが十分に込められたお墓こそ、良い塔であると私は思っています。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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