塔婆立てを付けるかどうか──お墓の部材には意味があります

2026年8月2日(日)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

川崎市営緑ヶ丘霊園でお墓を建てていると、
最近感じることがあります。

それは、塔婆立てを付けないお客様が
以前より増えているかな、ということです。

寺院墓地であれば、
塔婆立てを付けることがほとんどです。

一方、川崎市営緑ヶ丘霊園や
川崎市営早野聖地公園のような公営霊園では、
お客様のご希望によって決めます。

実際に周りのお墓を見ても、
塔婆立てが付いていないお墓はかなり多めです。

そのため、「周りも付いていないから、
うちも付けなくていいかな。」という
お話になることがあります。

もちろん、それも一つの考え方です。

私は、お客様が不要と判断されたものを
無理におすすめすることはありません。

ただ、その前に、
卒塔婆の意味だけは必ずご説明しています。

卒塔婆は、ただの板ではありません

卒塔婆というと、文字が書かれた細長い板という
イメージを持たれている方が多いと思います。

しかし、卒塔婆は、ただの板ではありません。

上の部分にご注目ください。
五輪塔の形になっています。

卒塔婆は、木で表した五輪塔です。形を比べると、その関係がよく分かります。

つまり卒塔婆とは、
木の板に五輪塔を表したものなのです。

亡くなられた方のために
塔を建てて供養することを造塔供養といいます。

五輪塔の形を木の板に表し、
供養のために立てる。

それが卒塔婆であり、卒塔婆供養です。

だから私は、在来仏教のお墓であれば、
塔婆立てをおすすめしています。

もちろん、浄土真宗では卒塔婆を用いませんし、
仏教以外のお墓では必要ありません。

ですから、
「必ず付けなければならない」
というものではありません。

ただ、在来仏教のお墓であれば、
卒塔婆にはこうした意味があることを
知っていただいた上で、
ご判断いただきたいと思っています。

後から付ければいい、とはいきません

塔婆立てのない1㎡墓所の外柵。お墓が完成すると、後から塔婆立てを納めるスペースはありません。

「今は必要ないから、将来必要になったら
付ければいい。」

そう考えられる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、塔婆立ては
後から簡単に付けられるものではありません。

特に1㎡墓所では、お墓が完成した後に
塔婆立てを納める場所はありません。

お墓を建てる時であれば、1㎡墓所でも
塔婆立てを組み込めるように設計できます。
だからこそ、
建墓の段階で考えておくことが大切なのです。

この考え方は、4㎡や6㎡の墓所でも同じです。

墓所の面積に余裕があるように見えても、
お墓全体の配置を考えて
設計・施工していますので、
後から塔婆立てだけを追加することは
かなり難しくなります。

付けるのであれば、
お墓を建てる時に一緒に施工した方が、
納まりもきれいですし、
費用も大きく変わるものではありません。

建墓時に塔婆立てを組み込んだ1㎡墓所。右側から見ると、外柵と一体で施工されていることが分かります。

だから私は、在来仏教のお墓であれば、
お墓を建てる時に塔婆立ても一緒に
ご検討いただくこと
をおすすめしています。

意味を知った上で選んでいただきたい

塔婆立てを付けるか、付けないか。
これを最終的に決めるのは、お客様です。

石屋が決めることではありません。

ただ私は、意味を知らないまま、
「周りも付いていないから。」
という理由だけで決めてしまうのは、
少しもったいない
と思っています。

卒塔婆の意味と、
後から塔婆立てを付けることができないこと。

そうしたことをご理解いただいた上で、
付けるか付けないかを
判断していただきたいのです。

石塔を据える前の外柵です。この段階で塔婆立てを組み込めるよう設計・施工しています。

普段、お客様によくご説明していることですが、
同じように迷われる方もいらっしゃると思い、
今日はブログに書いてみました。

では。


【関連記事】
※卒塔婆と五輪塔の関係については、以前書いたこの記事でも紹介しています。
小さくとも高品質 犬島石の叩き仕上げ五輪塔!川崎市多摩区の寺院墓地に建立です

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似顔絵(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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