新しいお墓に墓誌は必要?建てない場合、戒名はどこに残すのか

2026年9月28日(月)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

最近、新しくお墓を建てる案件で、
墓誌を建てないケースが増えてきています。

昔は(といっても私が若いころはですが)、
必ずと言っていいほど墓誌を建てました。

分家が新しくお墓を建てる場合でも、
お墓の右側か左側か、
どちらかに墓誌が建ちました。

外柵と石塔を一緒に新しく建てる場合でも、
外柵だけ先にできていて
石塔をあとから建てる場合でも、
墓誌はある意味、必需品でした。

灯籠や物置台のように、あればなおいい、
というものとは少し違います。

亡くなった方がいてお墓を建てるなら、
最初のお一人の戒名を墓誌に彫って、
お墓を建ててお引き渡しをする。

また、生前に建てる場合でも、
墓誌まで一緒に建てておくことが普通でした。

私が石屋になった平成の頃も、
墓誌はよく建てていました。

これでは墓誌を入れるのは窮屈だろう、
と思うような区画でも、墓誌の台を作らずに、
外柵の羽目石に墓誌用の穴をあけて
差し込んだり、
あるいは墓誌そのものを少し薄くして
納めたりして、何とか建てたものです。

それが今は、墓誌を建てないお墓が増えました。

もちろん、まったく建たなくなったわけでは
ありませんが、以前に比べれば減りました。

墓誌は必ず建てるもの、という感覚も、
少しずつ変わってきているように思います。

理由は一つではないと思います。

一つはやはり費用面でのことでしょう。

建墓の金額が全体に高くなったうえ、
墓誌を一基建てれば、当然数万円程度の費用では
収まりません。

もう一つは、
お墓をこの先どのように受け継いでいくのかを、
以前より考えるお宅が増えたことです。

墓じまいが増え、
跡継ぎがいなくて絶えてしまう家もあります。

何百年も続いた本家筋でも、
承継する人がいなければ、終わってしまいます。

そういう世の中の動きにも、
影響されているように思います。

また、別の理由として、
墓誌を建てるスペースのないお墓が
増えていることも、理由の一つだと思います。

ただ、墓誌を建てるかどうかと、
亡くなった方の戒名を刻んで残すことは、
別の話です。

どなたがこのお墓に入り、いつ亡くなり、
何歳だったのか。

そうしたことを石に刻んで残しておくことは、
必要なことだと思っています。

墓誌を建てない場合は、
その役目を別の場所に持たせます。

和型の石塔なら、
棹石(さおいし)の右側面から彫り始めます。

8寸角でも片側の面に五、六名は入りますし、
左右の面を使えば十名ほど入ります。

新しく建てたお墓で十名になるまでには、
相当の年数がかかります。

洋型の石塔なら、
棹石の背面を墓誌代わりに使えます。

洋型の棹石は横幅があるので、
戒名や俗名、亡くなった年月日、
行年(年齢)を彫っても、
墓誌に彫るのと同じくらいの人数を
彫ることができます。

ほかにも、緑ヶ丘霊園の1㎡のお墓のように、
丘カロート型外柵の納骨室の前蓋を
墓誌代わりにしたり、
拝石に戒名を刻むこともあります。

墓誌を建てなければ、
その分の石代はかかりません。

ただ、戒名や亡くなった年月日などを
どこかに彫る必要はありますから、
その彫刻費用はかかります。

こうした形は、
特に新しいやり方というわけではありません。

以前は、個人のお墓なら正面に戒名を彫り、
代々のお墓になってからは、
和型石塔の側面に彫ってきました。

墓誌という別の石を建てるようになる前から、
亡くなった方のことを石に刻んで、
大事に残してきたわけです。

墓誌を建てるか、
石塔にその役目を持たせるか。
うちではいろいろと説明して、
お客様に選んでいただいています。

また、今は墓誌を建てなくても、
先の代になって建てられるスペースがあれば、
その時に建てることもできます。

そんなこともお伝えしています。

余談ですが、墓誌を建てなければ、
墓誌が倒れる可能性もなくなります。

これは、あくまで副次的なことですが。

さて、新しくお墓を建てるからといって、
墓誌まで一緒に建てる。そんな形も、以前ほど
当たり前ではなくなってきました。

でも、形が変わっただけで、
亡くなった方のことを石に残す意味まで
変わったわけではありません。

墓誌という形は変わっても、
亡くなった方が誰で、いつ亡くなり、
何歳だったのかを石に刻んで残すのは、
とても大切なことだと私は思います。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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