お墓の工事、今の予算だけで考えていいのだろうか
2026年10月26日(月)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
お墓の工事を考えるとき、
当然ながら予算というものがあります。
できるだけ出費を抑えたいという気持ちは、
誰にでもあるでしょう。
ただ、今かかる費用を抑えることと、
長い目で見て費用を抑えることは、
必ずしも同じではありません。
以前、出入りしているお寺の墓地で、
石塔を新しく建てたいという
ご相談をいただいたことがありました。
現地を確認すると、
大谷石で造られた外柵があり、
かなり年月が経っているものでした。
そのとき、私が一番気になったのは、
この古い外柵に新しい石塔を建てた場合、
将来どうなるのかということでした。
大谷石は、一般的に御影石に比べて
風化しやすい石です。
もし数年後、古い大谷石の外柵がさらに傷んで
造り直すことになれば、
今度は新しく建てた石塔を
一度取り外す必要が出てきます。
しっかり接着して据え付けた石塔を
解体するとなれば、手間もかかりますし、
石を傷める可能性もあります。
また、その工事費用も余分にかかってきます。
そんな事情をお客様にお話ししました。
できれば外柵も含めて改修した方が、
長い目で見れば安心できるのではないかと。
ただし、外柵まで造り直せば、
それだけ費用は大きくなってしまいます。
なので、お客様にとっても
簡単に決められる話ではありません。

そのときはどうするか決まらないまま、
お話が終わったと記憶しています。
その後、あるときその墓地を訪ねると、
古い大谷石の外柵の上に、
小さめの洋型石塔が建っていました。
別の石屋さんにお願いされたのでしょう。
それを見て、
「そうか、最終的には今の外柵に
お墓を建てることを選択されたんだな」
と思いました。
予算の都合もあったのでしょうし、
いろいろと考えた末の選択だったはずです。
結果として、
当店とはご縁がありませんでしたが、
お客様が納得して決められたのであれば、
それが一番であろうと思います。
実際に私の店でも、
別の墓地で古い大谷石の外柵を残し、
その内側に雑草対策のコンクリートを打って、
石塔を据え付けたことがあります。
そのときも、古い大谷石の外柵を生かす方法と、
新しく外柵を造り直す方法の両方をお話しし、
お客様が選ばれた結果でした。
ですから、古い外柵を残して
石塔を建てること自体が、
間違っているとは考えていません。
外柵の傷み具合によっては、
先に直した方がいいと思う場合もあれば、
残してよいと思う場合もあるのです。
ただ、あのときお墓を見て、
改めて思ったことがあります。
これから先、あのお墓を
どのくらいの期間使っていかれるのだろうか。
もし長く使い続けるつもりであれば、
最初にもう少し費用をかけて
外柵から直しておいた方が、
結果的には負担が少なかったかもしれません。
反対に今、そこまで予算をかけられないのなら、
既存の外柵を生かすという方法も、
現実的な選択肢の一つになるでしょう。
どちらがいいかは、一概には言えません。
大切なのは、
今回の工事でいくらかかるのかだけではなく、
そのお墓をこれからどのくらい使っていくのか、
その間にどんな工事が必要になりそうかまで
考えておくことだと、私は思います。
では。
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