名越切通から衣張山へ──石切場に残る石工のあと

2026年8月11日(火)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

今日は台風で天候が崩れる前に、
鎌倉の名越切通を歩いてきました。

これで、いわゆる鎌倉七口と呼ばれた切通しは
一通り歩いたことになります。

鎌倉は山に囲まれ、守るに易く攻めるに難しい。
そう言われています。

実際に切通や尾根を自分の足で歩いてみると、
その地形が実感できます。

海に近いのに山が迫り、
その山を切り開き、あるいは越えるように
細い道が続いている。

観光地としてではなく、鎌倉武士のまちとして
この土地を、少し違う角度から
見ることができました。

今回、名越切通から大切岸を歩き、その先で
衣張山に残る石切場跡にも立ち寄りました。

薄暗い中へ入ると、
石を切った跡が今も岩肌に残っています。

今はもう誰もいません。静まり返った山の中で、
聞こえてくるのはセミの声くらいです。

けれど、その跡を見ていると、
ここで確かに石工たちが働いていたんだなぁ、
と思えます。

石に残ったツルの跡を眺めていると、
石工の息遣いが聞こえてくるような気がしました。

山の中で石を切り出し、それを運び下ろす。
相当な重労働だっただろうと思います。

山道を歩けば、
同じ石があちこちに顔を出しています。

その山から石を切り出し、人が使ってきた。
道にも、建物にも、お墓にも。

鎌倉で人が暮らしてきた歴史の傍らには、
石の歴史もあります。

名越から衣張山へ歩き、石切場に立ってみて、
そんなことを感じました。

七口を通り、
最後にこの石切場を見ることができた。
石屋の私には、とても印象に残る場所でした。

では。


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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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