庭石をセリ矢で割る、というDIY記事を面白く読みました

2026年7月17日(金)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

ネットニュースで
「庭石の撤去ってお金がかかる?→昔は
高価だったのに今では敬遠される理由とは」
という記事を読みました。

石に穴を開け、セリ矢を打ち込んで割る。
私たち石屋が実際に行っている作業です。

セリ矢に目を付けるとは、と
面白く読ませていただきました。

ただ、現場を知る身としては、
読みながら思うところも、いろいろありまして。

まず、石に穴を開けるという作業自体が、
なかなかの重労働です。

なにしろ、庭石のような平らではない面では、
刃先が暴れます。
うっかりすれば、自分の足に刺さるような
怪我にもつながりかねません。

そして、苦労して開けた穴も、
一つや二つでは石は割れません。
一回割るのに、何箇所も穴が要ります。

大きな庭石を、人が手で運べる大きさまで
小さくするには、何回割ればいいのか。
その一回ごとに、また何箇所も穴を開ける。
掛け算をすると、相当な作業量です。

それに、ドリルの刃先はすぐに焼けてきますよ。

あ、そうそう。
割るには石の性質も無視できません。

御影石のような素直な石なら、セリ矢は
よく効きますが、庭石は粘るものも
少なくありません。

自然のキズなども入っていたりして、
パカッと気持ちよく二つに割れず、
剥がれるような割れ方をすることもあります。

きれいに割れなければ、
穴にセリ矢が効いたまま──
なんていうことも。

記事には、昔は熟練した職人が
人力で大きな石を動かしていた、とありました。
三又や大バール、丸太などを使って
上手に動かしていたのでしょう。

ただ、庭石の撤去が難しくなった理由は、
職人の技術だけの話ではないと思います。

庭石を入れたときは、
そこまで運ぶための障害物が、
今ほどなかったことも多いはずです。

家を新築するときに合わせて、
建物や塀ができる前に
石を運び込んだこともあったでしょう。

その後、家が建ち、塀ができ、
庭が完成していった。

例えば、庭石を入れた当時には更地だった
隣の土地にも、今では家が建っているかも
しれません。

そうしてすべてが出来上がった中から、
何十年も前に入れた大きな石を出そうとする。

入れたときにはなかった制約の中で、
どうやって石を動かして、
どこから運び出すのか。

そう考えれば、もともと、
そう簡単にできる仕事ではないのです。

以前は、ときどき
「庭石を下取りしてもらえませんか」
という電話もかかってきました。

昔、高いお金を出して買った石なのだから、
いくらかで引き取ってもらえるのではないか。
そう思うのも分からなくはありません。

けれど、今は庭石を欲しがる方が
ほとんどいません。
まず、庭がある家が多くはないのですから。

石を庭から出し、運んで、
保管するだけでも費用がかかります。
いつ使うか分からない庭石を、
石屋が下取りするのは、現実には難しい話です。

土地に余裕があるなら、
穴を掘って埋めてしまうのが
一番手っ取り早いのかもしれません。

ただ、大きな石を埋められる穴を掘るにも、
重機が入る場所が必要です。
埋めたあと、その土地をどう使うのかという
問題もあります。

それも、現実にはなかなか難しいでしょうね。

……と、つい話が広がってしまいました。
さて、元記事のお話に戻ります。

もし、石割りに挑んでみたいという方は、
怪我の可能性まで含めた自己責任で、
どうぞ、お気をつけて。

そして一度でも石と格闘していただければ、
石屋の仕事がどんなものか、
少し身近に感じていただけるかもしれません。

それはそれで、
うれしいことだなと思うのです。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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