古墳型のお墓がふるさと納税の返礼品に──石屋として気になったこと
2026年7月5日(日)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
古墳の形をしたお墓が、
ある自治体のふるさと納税の返礼品になった、
という記事を見ました。
終活と地域貢献を結びつけた
取り組みなのだそうです。
お墓の形も、手に入れ方も、
時代とともに変わっていくものだなと思います。
それを選ぶ人がいるのも分かりますし、
そのこと自体を、いいとか悪いとか
簡単に決めつけたいわけではありません。
その一方で、私は記事を読みながら、
うまく気持ちが追いつかないと
感じるところがありました。
それが行政の返礼品として紹介されている、
という一点です。
お墓というのは本来、一人ひとりが
自分たちの事情や気持ちと向き合って
考えていくものだと思っています。
家族のこと、これからのこと、
残された人のことを、思いながら決めていく。
お墓とは、本来そうしたものではないかなと。
そこへ、
ふるさと納税という仕組みが重なります。
市の事業として紹介されると、
それだけで一つの安心材料として受け取られる
ことがあると思います。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、私が思うに、
お墓は品物を選ぶのとは少し違うはずです。
行政が関わっているということで、
本来なら自分たちでしっかりと
考えるべきことまで、
後回しになってしまわないか。
そこが、少し気になったのです。

その自治体の説明を見ると、
歴史のあるまちだから、
古墳と城の歴史が重なるまちだから、
といった言葉が並んでいました。
本物の古墳がその土地にあることと、
古墳の形をした
新しいお墓を返礼品にすることは、
私の中ではどうしても別の話に感じます。
なぜなら、
前者はその土地が積み重ねてきた歴史ですが、
後者はつい先ごろ生まれたものだから。
それを同じ「歴史」という言葉でくくって、
まちの魅力として発信する。
そこに、うまく気持ちが追いつかなかった、
というだけの話ではあります。
でも、そうした形で選ぶことに
納得できる人がいるなら、
それはそれでいいのかもしれない。
ただ、行政が関わるというだけで、
人が本来かけるべき「よく考える」という
手間が、置き去りにされてしまわないか。
そのことに、
本人も気づかないまま進んでしまわないか。
そこが、石屋として、少しだけ心配なのです。
お墓というのは、
制度や話題で決まっていくものでは
ないと私は考えます。
誰かが、自分でよく考えて選び、
実際に手を合わせ、供養していく。
そうして続いていくもの。
そんなことを、ネットニュースを見ながら、
考えていました。
では。
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