お墓は、想いだけでは残らない──石産協総会で考えたこと
2026年6月17日(水)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
今日は、所属している
日本石材産業協会の総会で、
東京の神田明神まで出てきました。
会場は、境内にある神田明神ホールです。

総会には、全国から石屋が集まります。
普段はそれぞれの地域で仕事をしているので、
顔を合わせる機会は多くはありません。
多くは、直接の取引があるわけでもない。
それでも、こうして集まると、
何かあったときに相談できる相手が
全国にいるのだと、あらためて思います。

総会のあと、基調講演がありました。
登壇されたのは、
デービッド・アトキンソンさん。
文化財補修を手がける会社の代表で、
日本の職人や技術の価値について、
長く発言してこられた人です。

講演そのものは有料の場でしたから、
何を話されたかを、ここに書くことはしません。
ただ、一つだけ、
書いておきたいことがあります。
話の方向性です。
精神論ではありませんでした。
「想いが大事だ」とか、「伝統を守ろう」とか、
そういう言い方ではない。
業界が抱えている課題を、
統計データをもとに、一つずつ示していく。
だから、かなり理解しやすかった。
腹に落ちた、という感覚です。
講演を聞きながら、自分の足元を考えました。
石屋という商売は、
どうしても「想い」で語られます。
供養。気持ち。故人への思い。
私自身、このブログでも、
そういう言葉を何度も使ってきました。
それが嘘だとは思いません。
お墓づくりは、確かに想いを預かる仕事です。
ただ、その想いをいくら重ねても、
見えてこないものがあります。
たとえば、人口が減るのは誰でも知っている。
私も知っているつもりでいました。
けれど、減り方には順番がある。
お年寄りは増え、子どもは増えない。
だから、社会を支える側──働く世代のほうが、
先に細っていく。
今いる人が、順に歳をとっていく。
それだけのことですから、議論の余地がない。
動かない見通しとして、もう見えています。
言われてみれば当たり前なのに、
自分では、具体的にイメージできていませんでした。
こういうことは、想いでは見えません。
事実として、見るしかない。
想いは大事です。
けれど、想いだけで仕事は続けられません。
数字を見ずに
「昔からこうだから」と言っていても、
現実は変わりません。
かといって、数字だけを見てしまえば、
お墓という仕事の大事な部分を見失います。
何のためにお墓を建てるのか。
誰のために残すのか。
そこを忘れたら、
石屋の仕事ではなくなってしまう。
では、石屋にできることは何か。
数が減る時代だからこそ、
価格で競うのではなく、
必要としてくださる方に、価値のあるものを
残すことだと思います。
もちろん、
きちんとした仕事には手間がかかります。
ですが、その手間には理由がある。
古い石が何百年も残っているのは、
想いだけのおかげではありません。
その時代の誰かが、石を選び、加工し、
丁寧な仕事をしてきたからです。
数を追うのではなく、必要としてくださる方に
価値のある仕事を残す。
石屋の仕事も、これからはますますそこが
大事になるのだと、私は思います。
では。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
現地確認。お見積り・ご提案はすべて無料です。
(有)吉澤石材店 吉澤光宏
ご相談・お問合せは、お気軽にどうぞ。
電話 044-911-2552 (携帯転送なので外出先でもつながります)
メール お問い合わせフォーム


