お墓の素材としての石~磨きとは違う、別の仕上げも魅力的
2018年7月26日(木)
川崎登戸の川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。
猛暑続きの毎日でしたが、今日は一息ついたような感じでしたね。
さて、タイトル通り。
ちょっと誤解されたくはないのですが…石はいつでもピカピカに磨いてあるのが「最高」というわけでもありません。
スキャナーで読んだのでちょっとわかりにくいですが、この状態は本磨き。カメラで写すと景色や明かりが映り込む状態です。
もちろん、汚れやコケも付きにくく、これはこれで悪くありません。というより一つの仕上げの在り方なのは言うまでもありませんね。
しかし表面の仕上げを変えると…
これもスキャナーで取り込んだ画像。ちょっとわかりにくいですが、石の表面を道具で叩いて仕上げた状態。
本磨きに比べると汚れ・コケなどは格段に付きやすいです。なら仕上げとして、これはよくないのか?
この答えは、石屋さんによっても異なるかもしれません。
ちなみに私は「決してそんなことはありません」とお答えしますね。いや、はっきり言って「良い」というと思います。
叩いた仕上げは、表面の微妙な凹凸が石の自然な素材感を強くアピールしてくれます。これは研磨面にはない魅力です。
きれいに磨き上げられた石の面(つら)は、ややもすると見る者に冷たい感覚を与えてしまうこともあります。叩いた面(つら)は研磨面とは全く違った味があります。テクスチャーとしてのおもしろさや、温かみを感じさせてくれます。
斜めからの接写ですが、平坦ではないことがお分かりいただけるでしょうか?
…と書いてきていますが、本磨きが良くないとかいう話では全くないんですよ。どちらの仕上げが優れているということではなく、石は最高の面白さをもった素材だということを知っていただきたいですね。
つまりは、多くのお墓で見受ける本磨き仕上げの石たち。それとはまた別方向の良さ・魅力がこの叩き仕上げの石にはあるということです。
今回、この叩いた仕上げのお墓を作らせていただくことになるかもしれません。
そう思うと、石屋としてとてもワクワクします!
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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