久しぶりに、大谷石のふるさとへ
2026年8月30日(日)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
今日は坂東三十三観音の巡礼で、
宇都宮市の大谷寺へ行ってきました。
このあたりは、大谷石のふるさとでもあります。
せっかくなので、久しぶりに
大谷石の採掘場跡も見てきました。
私が石屋になったのは平成元年。
当時はお墓に御影石を使用する時代に
なっていました。
そのため、大谷石をどんどん使っていた
世代ではありません。
それでも時に、大谷石を使ったお墓の直しや
あるいは解体工事などで、
なじみ深い石のひとつではあります。
大谷の町を車で流すと、
この石でできた土蔵や石塀を数多く見かけます。
耐火性に富むことも、
土蔵に使われた理由のひとつなのでしょう。
採掘場跡には、人の手で切り出していた頃の
ツルの跡が残っていました。

大谷石は御影石に比べれば軟らかく、
加工しやすい石です。
ただ、軟らかいから楽かというと、
決してそうでもありません。
道具の刃先が思った以上にザクッと
入ってしまったり、削れすぎたりします。
硬い石とは、また違う加減がいります。
それでも、機械のなかった時代に、
人の手で切り出して形にできるというのは、
大きな長所だったのだと思います。
展示の説明を読むと、一本の石を切り出すのに、
ツルを四千回ほど振ったと書かれています。
長所とはいっても、楽な仕事ではありません。
大谷寺では磨崖仏も見ました。

堂内の撮影は禁止なので、
重文のご本尊の千手観音の写真は撮れません。
説明によると、作られたのは平安前期か、
あるいは奈良時代ということ。
仕事で傷んだ大谷石を見ることも多いので、
これだけ長い年月を経て残っていることには
正直驚きました。
雨風が直接当たらない場所にあることも
大きいのでしょう。
軟らかい石だから弱い。硬い石だから丈夫。
どうやら石は、そんなに単純なものでもないようです。
この大谷石は、今も採掘されています。
もちろん、最盛期の産出量には遠く及びません。
ただ、素朴で温かみのある石肌が好まれ、
今では建物の内装などにも使われています。
採掘場跡の資料館の売店では、コースターや
プランター、可愛らしいカエルの置物などが
置いてありました。

実は当店でも、お墓をご契約いただいたお客様に
大谷石のコースターを差し上げています。
《写真:当店でお渡ししている大谷石のコースター。明日アップ予定》
久しぶりにこの石のふるさとを歩いて、
面白い石だとあらためて思いました。
では。
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