数字の幻影。吸水(率)で石は計りきれない。


2017年12月9日(土)


川崎市登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。

今日はお客様からも時々聞かれることの一つ、石の吸水(率)について書いてみますね。

勿体つけても仕方ないので、まず結論から言ってしまいますが・・・石は水を吸い上げます。これはどんな石でも同じです。

それが天然石の性質です。細孔という、細かい穴がたくさん開いているから。

お墓の石は平らで滑らかに磨いてありますが、拡大してみれば軽石のように穴があるんです。その穴から水を吸い上げてしまうんですね。

もちろん「どんな石でも」とは言いながらも、石の種類によってその差はあります。水を吸い上げやすい石と吸い上げにくい石があるのも事実です。

また、数字上は同じような吸水率でも、水を吸い上げたのがわかりやすい石もあれば、わかりにくい石もあります。

よく、水を吸うから悪い石とか思われてしまうようですが、吸水率はあくまでも数字。その石を計る一つのデータです。一概には言い切れませんが、石の良し悪しにはそれほど関係がないと私は考えます。

いや、良し悪しを計る要素はたくさんあるため、吸水の一点をもって石を評価するのは少し無理があると言った方が良いのかもしれません。

 

例えば、この写真。磐梯みかげの墓誌です。板状の墓誌の下の方が色濃くなっています。石が水を吸っているんですね。

IMG_3726

ちなみに磐梯みかげは国産の石。東北地方を代表する銘石のひとつで、評価が高い石です。

また、日本の御影石で一番評価される香川県の庵治石(あじいし)。隠れなき天下の銘石ですが、この石を使った墓誌の写真です。(※よその石屋さんの施工なのですが)

DSCN1521

やっぱり下の方は、水を吸って色濃くなっているのがわかりますね。

もし水を吸い上げるのが石として良くないのなら、磐梯みかげや庵治石は良くない石になってしまいます。

しかしながら、実際には良質な石材として、長期にわたってよろこばれ使用されてきています。多くの人が大切なお墓に使ってきた実績があります。それがすべてだと思います。

吸水率。まったく無意味ではありませんが、小さな試料(サンプル)の数字だけで計れるほど、石は薄っぺらではないと思います。

・弊社では国産も外国産も、実績があり安定した品質の石材をお勧めしています。


※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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