鎌倉・朝夷奈切通を歩いてきました。石屋の目で見た岩肌と古道

2026年5月4日(月)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

昨日の日曜、早く家を出て、
鎌倉の朝夷奈切通を歩いてきました。

鎌倉七口の一つとして知られる、古い切通しです。

以前から気になっていた場所でしたが、
なかなか行く機会がありませんでした。

連休中ということもあり、少し時間を取り、
自分の足で歩いてみることにしました。

朝夷奈切通を歩いてきました

鎌倉は、山に囲まれた土地です。

今でこそ道路も鉄道もありますが、
昔の鎌倉にとって、
外へ出る道、外から人や物が入ってくる道は、
とても大きな意味を持っていたはずです。

そのために切り開かれたのが、切通しです。

山を削り、岩を切り下げ、
人や荷が通れる道にする。

言葉にすると簡単ですが、
実際にその場所を歩いてみると、
これは相当な労力だっただろうと感じました。

落ち葉が残り平らに見えますが、道自体も岩盤。凸凹もあります。

朝夷奈切通は、
鎌倉と六浦方面を結ぶ道だったとされています。

六浦は、海からの物資が入ってくる場所です。

塩をはじめ、海のもの、生活に必要なものも、
この道を通って鎌倉へ運ばれたのでしょう。

また、山に囲まれた鎌倉にとって、
こうした道は交通路であると同時に、
防衛の面でも大切な場所だったはずです。

柔らかい石でも、山を切るのは簡単ではない

朝夷奈切通を歩いていると、
道のところどころに水の流れがあり、
周囲はほぼ岩肌です。

その岩肌に苔や緑が重なり、
鎌倉の切通しらしい景色をつくっていました。

昨日は雨水もあるのだろうが、朝夷奈切通はつねに湧き水などがあるようです。

鎌倉石と呼ばれるこの地域の石は、
石としては比較的柔らかい部類に
入るのだと思います。

硬い花崗岩とは、まったく違います。

けれど、柔らかい石だから簡単だった、
という話ではありません。

土とは違います。
当然ながら、石は石ですから。

そこに人の手を入れ、山を切り下げ、
道として使えるようにするには、
とてつもない労力が必要だったはずです。

今のような機械がある時代ではありません。

どれだけの人数が関わり、
どれだけの時間をかけて、
この道が形づくられていったのか。

岩肌を見ていると、
そういうことを考えずにはいられませんでした。

熊野神社の参道で見た敷石

途中、熊野神社にも寄ってみました。
朝夷奈切通の途中にある神社です。

境内の参道には、
鎌倉石と思われるような敷石が据えられていました。

手前側敷石はすり減っている。

手前側の敷石を見ると、
長い年月、人が歩いたことで、
石の表面が大きく削られていました。

むしろ目地の部分だけが、
筋のように残っているようにも見えます。

石としては柔らかめなのだと思います。

けれど、それ以上に、
多くの人がこの参道を歩いてきた
時間の長さを感じます。

石は硬いものですが、
時間の中で少しずつ姿を変えていきます。

鎌倉らしい岩肌に感じたもの

朝夷奈切通は、木々に囲まれ、静かな空気のある場所でした。

岩肌や足元の道を見ていると、
単なる山道とは違う、
人が通り、人が手を入れてきた場所なのだと感じます。

荷を運ぶ人。

鎌倉へ向かう人。

六浦方面へ出ていく人。

そして、この道を切り開いた人。

今は静かな山道ですが、
かつて多くの人が行き来していたことを、
岩肌や足元の道が伝えてくれるようでした。

人為的に削られたことがよくわかる。磨崖仏の彫刻も。

鎌倉には、石に関わる見どころが多い

今回歩いたのは、
鎌倉七口のうちの朝夷奈切通です。

これまでにも、
亀ヶ谷坂切通は歩いていますし、
名越切通も少し通ったことがあります。

七口ではありませんが、
釈迦堂切通しの近くまで行ったこともあります。

鎌倉は、決して広い町ではありませんが、
その中に見るべきものが、
本当に多く残っています。

お寺や仏像はもちろん、石屋として見れば、
やぐら、石塔、石仏、そして切通しなど、
石に関わるものにも強く惹かれます。

それらは観光名所というだけでなく、
人が山を削り、石を刻み、道をつくり、
信仰や暮らしを重ねてきた跡でもあります。

石の仕事は時代を越えていく仕事です。
すぐに消えて無くなるものではありません。

だからこそ、後の時代の者が、
そこに残された人の想いや時間を
感じ取ることができる。
私はそう思います。

朝夷奈切通を歩いたことで、
鎌倉という土地を、
また別の角度から見てみたくなりました。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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