2019年11月9日(土)


こんにちは!川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

もう夏前のことになってしまいましたが、納骨室を先行して作っておいた川崎市麻生区のお寺の墓地。このお墓にお邪魔して五輪塔と墓誌の建立と付帯工事を行ってきました。(納骨室の新設。基礎工事に取りかかりました。 川崎市麻生区の寺院墓地

その時のブログでは基礎コンクリートを打設したところまでの紹介でしたね。

そのコンクリート上に納骨室を据付ておきました。どんな形状かと言えばこの写真をごらんください。けっこう小ぶりですが深めなのは、壷で納骨するのではなく納骨袋で納骨をおこなうため。

石は茨城県産の白御影石の真壁小目石。けっこう白っぽく見えていますが、これは仕上げを水磨き(みずみがき)といってツヤがテカテカに乗る前の状態にとどめてあるためです。

納骨室のすぐ後ろには、この上に乗る五輪塔の重さを受けとめるための受け石(うけいし)を設けてあります。まさに縁の下の力持ちといった存在ですね。

お墓って出来上がると見えなくなる部分にも様々な仕込みを行っておくものなんですよ。

さて、今回はここにいよいよ五輪塔が建ちあがります。仮に設置しておいたフタ石をどけ、2種類の接着剤を要所に置いていきます。

白い接着剤は2液を混ぜ合わせるエポキシ系の外装用のボンド。これは硬さも出ますがいくらかの弾性も有していて、上に乗る石の重さをしっかり受けとめるのにも適したものです。対してグレーの接着剤は変成シリコン系で硬化後も弾性を有し、耐久性と追従性に優れるボンド。

いずれの接着剤も石材専用のボンドですが、その性格は少し異なり、組み合わせて使うことでお互いの特徴を生かして、より丈夫なお墓に仕上げようという考えです。

今回建ちあがる五輪塔は、桜色の上品な石目が魅力の、岡山県産の万成石(まんなり石)を使います。

ちなみにこの万成石、多くの著名人にも選ばれた実績があって有名なところでは石原裕次郎さんのお墓にも使われた銘石なんですよ。

この石を香川県は高松・庵治の地で加工、本磨き(上の写真のような仕上げ)ではなく、叩いて仕上げていきます。

ノミ切りに代表される叩き仕上げは、研磨仕上げと比べるととても手間がかかります。

下手に叩けば部材の角を飛ばしてしまったりして台無しにしてしまいます。石の素性や特徴を充分に理解し、造形力に秀でた熟練の職人でなくてはとても加工しきれません。

その分費用は掛かりますが、磨きでは決して出せない温かみと味わい深さ。素材の魅力を余すところなく引き出す仕上げでもありますね。

また五輪塔なので水輪(すいりん=玉状の部材)などは極太のダボを設け、簡単に転倒しないように色々と工夫を凝らして作られています。

この作品をその状況に適した接着剤と施工方法で慎重に建て上げていきます。

完成した写真はこちら!

正面の白っぽく見える塔が今回新調した万成石叩き仕上げの五輪塔。

総高さ5尺(約1.5m)、おおらかで均整の取れた美しい五輪塔の完成です。

火輪(かりん=笠のような部材)の反り、空・風輪(くうりん・ふうりん)の大きさと形、五輪部分と台石の間に配した請座などなど…それぞれが絶妙なバランスです。

台石と請座に刻まれた返り花(蓮華)、前に配置してた経机や花立も素敵ですね。

どの部材も過度に自己主張し過ぎていないこと。シンプルなこと。そしておおらかで伸び伸びとしていること。

それが上品さと美しさを際立たせているのだと思います。

五輪部分に薬研彫りで刻まれた梵字も申し分ありません。

叩いた石の面(ツラ)はその時々によって見え方が変わります。

夏の日の顔、冬の日の顔。そして晴れの日の顔、雨の日の顔。きっと同じ一日でも朝と夕ではまた違う表情をしているはずです。

さらには年月という時間的な要素が加わることで、絶妙なエイジングを積み重ね、周囲の景観と一体感をもって「育っていく」と思います。

数百年後を想像することがとても楽しみになる、そんな五輪塔だと確信します。

余談になりますが…。

宗教的な意義がとても深い、仏塔である五輪塔。

だけど私は単にそこ(宗教的な部分)だけに留まらず、施主の方にとって(きっと亡き人と一体となって)自然で愛おしさすらおぼえる存在に変わっていくのではないかと思ってしまいます。

特に今回のような温かみを感じさせる叩きの五輪塔ではよけいにそう感じますね。

五輪塔でお墓を建ててみたい、叩いた石に興味がある、そう思う方はぜひご連絡くださいね。

 

自分もこんな塔の下で眠りたい…。今回、そう感じるような仕事をする機会に恵まれとても嬉しく思います。

本当にありがとうございました。ご納骨まで精一杯に努めてまいります。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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