崩れかけた古い外柵とその対応策。川崎市多摩区の寺院墓地にて


多摩区登戸の吉澤石材店です。

古く朽ちかけたお墓を、もう少し長く使っていくにはどうしたらいいのか。そんなご相談を受け、近くの寺院墓地に行ってきました。

外柵の材質は凝灰岩の大谷石。石の性質上、年数を経ることでどうしても傷みが出てきます。

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通路側の囲い部分(羽目石といいます)が縦に裂けるように剥がれ落ちていました。塔婆立ても完全にだめです。

大谷石の場合、墓地の立地(日当り・乾燥の具合など)によって傷み具合の進み方は異なります。この条件下での寿命が近づいてきたということですね。

でも、そうは言っても通路に面したこのお墓。このままの状態では事故が心配になります。

また傷んだ部材が隣接したお墓にぶつかり、迷惑をかけてしまうのも気になるところ。

ではこの傷んだお墓にどう手を入れるか。

もちろん抜本的な解決策は、花崗岩や安山岩などの丈夫な素材で外柵を作り直すことです。

ただし、それには一度お墓を解体して基礎工事から行う必要が出てきます。つまり色々な部分で大掛かりな話になるということですね。

では何らかの事情でそこまで手を掛けられない場合、どう凌げばいいでしょう。

今回はお墓の状況を確かめ、一番上の囲い部分(羽目石)を取り払ってしまうことを提案してみました。

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塔婆立てはステンレス柱のものを取り付け。入口柱跡の窪みはモルタルで埋めての補修です。

今まで存在していたものが無くなるので、あっさりし過ぎて人によっては違和感を覚えるかもしれません。

そうした意味では、決して見栄えのする補修工事ではないでしょう。

でもこの方法の良いところは手間がそうかからないこと。そのため低予算で外柵崩壊によるリスクを低減することができます。

 

もちろん『石の傷み』という根本的な部分は解決するわけではありません。そうした意味では、問題を先送りにするだけなのかもしれません。

ですが、あともう少し現状のまま使っていきたい。

そんな場合には傷んだ部材を思い切って取り外してしまうのも有効な方法なのかもしれません。

また、よろしくお願いします。


  • 石の傷み具合によっては、こうした方法が適応できないケースもあります。
  • 囲いが乗っていた部分は、見えなくなることが前提でいろいろな細工(補強)が施されている場合があります。囲いを取り外すことにより、それらが露わになる可能性があります。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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