外柵リフォームの下見を兼ね、川崎市麻生区の墓地で戒名追加彫刻の準備


ゴールデンウィークもひと段落。今日から仕事再開です。

まず今日は先日ご納骨を済ませた川崎市麻生区のお墓にお邪魔し、傷んだ外柵の下見を兼ねて戒名彫刻の下準備をしてきました。

このあたりでは戒名の追加彫刻は基本、現場での彫刻、俗に「現場彫り」と呼んでいます。

ずっと以前は墓誌や石塔を都度取外し、工場に持ち帰って彫刻をしていました。しかし、取外しで石を傷めてしまう心配がないこともあり、ここ30年弱は現場彫刻がほとんどに変わりました。

現場彫りを行うためには一度作業前にお墓に行き、今現在刻んである文字の拓本を取ります。これを「字すり」と言いますが、要は紙を墓誌や石塔に当てて墨で擦るわけです。硬貨に紙を当て鉛筆で擦って模様を浮き出させる、子供の頃にやったあれと同じ理屈ですね。

字すり完了後はこんな様子に。右側がそうです。

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こすって浮き出た文字に合わせて文字を書いていきます。人が書いた文字はその時により間隔や大きさに微妙な違いがあります。それがコンピュータ文字との違い、人の文字の醸し出す味と良さでもあるのですが。

字すりは使う道具が紙なので、雨は禁物。風の強い日もちょっと厳しい部分有りです。風にあおられ、紙を石に当てる前にくしゃくしゃになってしまいますし。(連休中にやりたかったのですが、風が強くて挫折しました)

あとはこれを字彫り用のゴムシートに貼り、切り抜いて現場での彫刻作業へと進めていきます。文字の校正も念入りにいきます!

それと、傷みの来ている大谷石の外柵。これの修理に関して相談を受けていますが、痛みの具合もしっかりとみてきました。現実を踏まえ、どの程度の補修にするのか。お施主様の希望を伺いながらきちんと提案していきます。

また、よろしくお願いします。