現場で見極める。


とあるお宅の墓前灯籠に、「家名」を彫刻させていただきました。こんな雰囲気です。

灯籠家名

家名彫刻と言いながら、写真では具体的な家名を表示することは憚られますのでご勘弁ください。代わりに弊社の展示品の様子を。こんな雰囲気です。

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あらかじめお断りしておきますが、墓前灯籠に家名を刻むのが特に一般的ということではありません。また家名彫刻なんてしないのが当たり前の地域だって、きっとあるでしょう。

弊社では先代のころには灯籠を建てる場合、こうして棹の部分に「家名」を、笠の部分に「家紋」を刻むことが多かったです。(写真は紋は刻んでいません)

でも、最近はあまり家名を刻むことはなくなりましたし、家紋に至ってはまず彫刻することはないです。それは何ゆえでしょうか?

大きな理由とすれば、墓地の敷地が限られていることが多いから。

かなり広めのお墓なら、灯籠を建立し、家名まで刻むのもいいと思います。しかしそうでない場合、灯籠を建て家名まで刻むと、少しくどく感じてしまう可能性が考えられます。まして、どこの家のお墓かはある程度わかっていることですから。

なので最近は家名を刻むことをお勧めしなくなっているというわけです。
(※灯籠の棹部分は家名を刻む場所とされているわけではありません。なので省略しているということとは違います)

 

ただし例外もあります。それは周囲のお墓の灯籠が家名を刻んであることが多い場合。こんなケースでは自分の家の灯籠だけ、家名を刻んでいないのは気になるのかもしれません。

今回はそうしたことから彫刻するようになったということです。文字彫刻費用が余計にかかるとしても、このあたりを事前にもう少しお話ししてあげればよかったと反省しています。

それ単体では何もおかしなことがないようなものでも、周囲と照らし合わせて考えた場合に少し事情が変わってくる。こうしたことはお墓の場合時々あり得ます。

いつでも現場をよく確認。私自身、改めていい勉強になりました。

また、よろしくお願いします。