市営霊園1㎡墓所の「実際」──高さと収蔵数で悩まないために

2026年2月1日(日)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

市営霊園の当選者の方から、
質問をいただくことがあります。

わりと多いのが、
「1㎡のお墓って、
どんな感じのものができるの?」
という話です。

結論から言うと、
霊園の建墓規定はそこまでガチガチではありません。
自由度は比較的、高めです。

でも、そうはいっても、規定内なら
何でもいいのか…。

今日は、ご相談の最初に、いつもお伝えしている
『1㎡墓所のお話』をまとめてみます。
※話は1㎡墓所に寄せますが、寺院墓地の小区画でも同じです。

1㎡は自由。でも背の高さは?

市営霊園の1㎡墓所は、前提としては、
1m四方の敷地で、高さが2m以内に収まれば、
形としてはかなり自由です。

そのため、
逆に具体的なイメージが浮かばない方が
多いのではないでしょうか。

現地を見に行くと、背の高いお墓もあれば、
低く抑えたお墓もある。

そうなると、
「どれを基準に考えればいいのか分からない」
という状態にもなります。

なので私は、まず最初に、こんな話をしています。

背が高いお墓は大きく見えて立派です。
ただし、あまり高くしすぎると、
安定性の面では不利になりますよ、と。

理由は単純です。
重い石を高い位置に載せれば、
重心が上がるからです。

同じ1㎡という面積の上で、
上へ上へと積み上げるほど、
力学的には無理が出やすい。

これは理屈として当然です。

もちろん
「少しでも背を高くしたい」
というご希望があれば、その前提で考えます。

ただ、石屋としては、必要以上に背を高くするのは、
あまり推奨できません。

高さ。
石塔の大きさ。
重心。
掃除やお参りのしやすさ。
塔婆立があれば塔婆の抜き差し。

そういうものを全部ひっくるめて考えると、
「そこまで高くする必要があるのかな」と、
私は考えます。

逆に、背を低く抑えれば、手入れは楽になります。

石塔を水拭きする。
水鉢を拭く。
花立を洗う。

無理な姿勢にならずに済みます。

高い位置に石があると、
手入れのたびに不安定な姿勢を強いられます。
脚立が要るようでは、お手入れも続きませんよね。

高さだけではなく、石塔の大きさも同じです。

大きな石塔は立派ですが、
何事にもバランスがあるのだと考えます。

敷地に見合った大きさというものが
あるのではないでしょうか。

お骨の収蔵数は?

もうひとつ、よく出てくる話があります。

「納骨室を高くすれば、2段式になり
10体以上のお骨を納められます。」

こういう説明です。

確かに、構造によっては増やせます。
そして、そういう考え方が
悪いわけではありません。

ただ、1㎡では「高さ」を使うほど、
バランス面で不利になりやすい。
私はそこを気にしています。

一般的な造り(特別に高くしなくても)でも、
標準的な寸法の骨壺なら、
1段で8つから9つは収まります。

では、それが満杯になるのはいつなのか。

すでに手元に多くのお骨がある場合を除けば、
家族構成や代数を考えれば、かなり先の話です。

これは感覚ではなく、
家族構成や代数から逆算すれば、
だいたいの見当はつくでしょう。

それに、仮に将来いっぱいになったとしても、
手がないわけではありません。

実費はかかりますが、
たとえば「粉骨」という方法もあります。

粉骨をすれば、お骨の“かさ”はかなり減ります。
(これは「必ずこうしろ」という話ではなく、
あくまで選択肢の一つとして、です。)

そう考えると、
「収蔵数を増やすために、無理に背を高くする」ことが
本当に必要なのか。

私はそこに、あまり意味を感じません。

高さより、まとまり

1㎡の墓所は、条件が限られているからこそ、設計の差が出ます。
そして、差が出るのは「派手さ」ではなく、むしろ逆です。

無理に上へ伸ばさない。
重心を上げない。
全体のバランスやまとまりを優先する。
お参りと手入れが続く形にする。

こういう、落ち着いた考え方のほうが、
建墓後の管理の部分では大事だと私は思います。

「自由」だからこそ、
何をやり、何をやらないか。
そこに、石屋の判断が出ると思っています。


市営霊園の当選者の方は、決めることが多くて、
最初は混乱して当然です。

だから私は、デザインの前に、
まず前提条件を一緒に整理したいです。

ご相談は、どうしても金額の話が先に出がちです。
それは自然なことだと思います。

ただ、気になる数字の前に、もう一度。
「誰のためのお墓なのか」。
そこだけは、外さないでください。

そこが定まると、
形も、石の選び方も、金額の見え方も整理されるはずです。

もし、ご相談をいただく場合には、
具体的なイメージが固まっていなくても構いません。

ただ、「どんなお墓にしたいのか」を
一緒に考える前提でお話を進めていきたいです。
数字だけを先に出すことはしていません。

遠回りに見えるかもしれませんが、
最初に整理する方が、結果的に一番早いと私は考えています。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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