稲城市の寺院墓地 福島県産・芝山石製の和型石塔を建立しました
2023年3月29日(水)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
ここ数日、雨が続いていますね。そうこうしているうちに満開の桜の花が散り始めてきました。
今日は東京の稲城市のお墓で、納期が迫っていた石塔(墓石)の据付工事にやっと取りかかることができました。
来月頭に四十九日法要と納骨を控えたお墓なので、お寺さんにお願いしてお彼岸の中日過ぎに芝台(石塔の一番下になる石)を据え付けておきました。
作業的には現場用クレーンを使用して、石材用接着剤での据付け。なので、普通なら大きく時間がかかることもないのですが、実はこの接着剤は雨が苦手。
石が湿っていると接着剤は石同士をしっかりと接着することができません。つまり施工不良を起こしかねないんです。
そのためにここ数日間、足踏み状態になってしまっていたんですよ。
あ、ここでいう施工不良ってどういうことかと思われるかもしれませんね。ここで、ちょっと下の写真をご覧ください。
弊社で15,6年前に建てた石塔なのですが、墓所の移転のために取り外しした時の様子です。
接着剤を使用して施工したお墓を解体するのって、実はかなり大変です。強力な接着力を有しているので少しずつ、しかしある程度は無理やり剥がしていかなければならないわけですから。
つまり「剥がす」という作業は、接着剤にしてみれば「無理やり引きちぎられる」ということでもあります。なので、石についた部分はしっかり着いているけれど、引きちぎられた部分はザラザラの状態になってしまうのですね。
さて、次の写真に行きましょう。
こちらは弊社での施工したものではなく、とある地域で不幸にも倒れてしまったお墓の写真です。
写真にあるように、シミになっている部分には接着剤が配置されていたところです。どうして接着剤が残っていないのでしょうか?
実はここにあったはずの接着剤は、この石の上に乗っていた棹石(さおいし)の下側にくっついていたのです。
ここから先は想像の世界になるのですが…
石材用接着剤がこれだけきれいに剥がれてしまうことは、通常の施工ではあまり考えられません。考えられる理由としては「施工する石材の表面の清掃を怠った」or「石材に水分が残った状態で施工をしてしまった」などが挙げられると思います。
もしかしたら石材用ではない安価な接着剤(当然劣化も早い)を使ってしまったのかもしれませんね。
もちろんこれは推測です。施工した人のことを悪く言いたいわけでもありません。
ただ、石が濡れている状態で接着が伴う施工をしてはいけないということは間違いのない事実です。バーナーなどで表面だけ乾かしても、石には微細な穴がたくさん開いているためそこに入り込んだ水気があれば同じこと。
どんなタイプの接着剤でも、接着という部分で考えるなら石を極力濡らさないことが大事なんです。
さて、ここで話を元に戻したいと思います。
施工方法も15年前と全く同じではなく、いろいろと試行錯誤をしながらバージョンアップさせていっています。
ここ数年は石材用弾性接着剤だけではなく、性質の異なる接着剤を使用しながら、お互いを補完し合うようなイメージでの施工を行っています。
接着面の清掃をしっかり行っておけば、あとは雨さえ降らなければ施工自体はどんどん進められますよ。
今日のお客様に選んでいただきお墓に使用した石材は福島県で採掘されている芝山石。白く細かで端正な石目はこれぞ「白御影石」といった雰囲気ですね。
お亡くなりの方が福島県にご縁があったということから、施主様に選んでいただくことができました。
四十九日法要に間に合わせるという前提だったこともあり、作製元にも無理を言って早めに加工・納品をしてもらい、無事に建立することができました。タイミングにも恵まれましたね。
和型の8寸角標準型石塔。シンプルで凛としたたたずまいがとっても素敵だと思います。
ちょうど太陽の光が斜め後ろから当たってしまっているため、なんだか少し暗っぽく見えてしまいそうです。正面に刻んだサライ仕上げの文字も見えにくく、石の感じもちょっとわかりにくい。写真って本当に難しい…。
日の光が当たっている部分はこんな雰囲気なんです。
いかがでしょう。明るく、お墓の雰囲気に自然にとけこむような、穏やかな表情の白御影石だということがお分かりいただけますか?
せっかくなので、近く正面から光が当たっているような写真を撮ってきてアップしてみたいです。
ともかく、納期が守れてほっと一安心。ご納骨もしっかりと対応してまいります。
このたびはお仕事を任せていただきまして本当にありがとうございました。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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