お墓じまいとリフォーム工事。東京稲城市の寺院墓地

2019年6月8日(土)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

関東も梅雨の季節になりましたね。しばらく現場仕事をしづらい時期になります。

さて、今週はその梅雨入り前に稲城市の寺院墓地にて工事をしていました。内容は2軒続きの墓地のうち、1軒のお墓じまい。そしてそれにともなうリフォームです。

正面のお墓の解体撤去を行うわけですが、このお墓、右側のお墓と境を共有している外柵なんです。植木のおかげで見にくいのですが…

境になる羽目石が1本のみ。入口はそれぞれ別なものの、境を共有している形です。

親戚同士で、あるいは兄弟で…。このように連結されたお墓は以前はけっこう普通に作られていました。「家が絶える」なんていう概念は当時は無かったのでしょうね。

また境を一つにすることで、有効に使えるスペースが少しでも増えることも確かですし。

今、2軒続きのお墓を設計する場合には、完全に独立した外柵をお勧めしています。その理由は解体するときに残す方のお墓をいじらずに済むからです。

例えばこのお墓の後ろ側の写真をご覧ください。境が1本で後ろの羽目石(囲い)に接続しています。黄色い線で見えなくなっちゃいましたが、後ろの羽目石には継ぎ目も入っていません。

当然、片側のお墓を壊す場合には後ろの羽目石も一度取り外し、工場で切削加工を施さなくてはなりません。再利用する部分もあるので、解体作業も丁寧に無理をさせずに行う必要が出てきます。

また、細心の注意を払って作業をしても、やはり解体作業は石に負担をかけるもの。不可抗力的に残す部分を傷めてしまう(欠いてしまう)可能性だって十分にありますからね。

ということで、実際の作業としては甲州山崎石の石塔の取りはずし、さらに植木を伐採と進めていきます。

また、解体墓所の左側から羽目石~塔婆立ての石も取り外し。本来廃棄予定の石材なので、ガンガン行きたいところですが、もし右側のお墓をいじる過程で部材が欠けたりした時のことを考え、丁寧に取り外しをします。

現場打ちのカロートも順調に解体。大きめに割ってクレーンで吊りだしていきます。

そして、これ以降が力勝負と繊細な作業の両方が要求される部分。

まず力業。左隣のお墓との隙間もほとんど無し。隣接のお墓もピッタリくっついていて石の外しようがありません。隣の墓地を傷めてしまうわけにはいきませんので。

そこで強引に階段の石を割ります。ドリルで穴をあけ、セリ矢という道具で少しずつ石を攻めていきます。

逃げ場ができたところで上階段を撤去。同じ要領で下階段も攻めていきます。

何だかんだで結構手間のかかる作業になります。

この解体工事、まだこれからが佳境です。コンクリ基礎や立上り部分のコンクリ除去を行った後、境部分のコンクリの再打設~羽目石の再据付を行っていきます。

ただし今のところはここまでで作業は一時中断。梅雨時なので他の据付工事の具合とか、空模様と相談しながらの作業になりそうです。

また進行したら続きを書いていこうと思います。

とりあえず、では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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