川崎市高津区 緑ヶ丘霊園で新規に石塔・外柵工事を行っています。


2019年5月24日(金)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

ここのところ、緑ヶ丘霊園(川崎市営霊園)で新規の建墓工事を行っておりました。通しで記事にしてみますね。

まずは最初の様子です。返還墓地のため草止めシートを敷かれた更地の状態。

ここから工事のスタートです。まずは根切り作業と呼ぶ地面の掘削から入ります。

広いお墓なのでユンボを入れての作業になります。隣のお墓に土をこぼさぬよう、養生のシートをかけて掘削していきます。ただ掘削といってもやみくもに掘ればいいというわけではありません。規定以上に掘れば地盤が緩んで荷重を受けとめるには不利益です。

そこで杭を四隅に打ち込み、高さ(深さ)を確認するため水糸を張って作業を進めます。掘りすぎも注意なのです。

機械で大まかに掘った後、高い部分をスコップで削り取って掘削作業の終了。ここで仮に打ち込んだ杭を抜き、今度は地盤の転圧作業です。

この際に隣のお墓からはみ出したモルタルやコンクリもきれいに取り除きます。

もう一度しっかりと丁張り(やり方とも)を設け、割栗石を並べてからランマーによる転圧。幾度も周回して締め固めていきます。地盤によっては補強工事が必要な場合もありますが、ここの区画はほぼ地山(じやま)。なのでしっかりとしていました。

転圧を終えると次は鉄筋の配筋です。ちなみに鉄筋はD13、お墓の基礎としては太めの鉄筋を用いそれを井桁に組みます。それと斜め配筋もプラス。水抜き穴と改良マスを設置していきます。

ここでは左右にも枠板を入れ、隣接墓所との隙間をきちんと設けてありますね。

そして基礎コンクリートの打ち込み。水糸を何本も張り、バカ棒(基準の長さに切った棒)を使って何か所も仕上がり高さを確認します。

この作業、地味ですがけっこう重要なところですね。高さが高すぎればコンクリを削るようになってしまいますので。ちなみにこの現場での基礎厚みは6寸(約18cm)程度です。

ここまでが大きく言えば基礎工事です。完成してしまうとまったく見えなくなってしまうけれど、とても大事な工程です。俗に「お墓」として認識される石材(石塔・外柵)の重量を受けとめ、しっかりと支える部分ですから。

養生期間をおき、ここからいよいよ石の据付けに入ります。据付け前に石の寸法を確認し、補強金具を取り付けるための穴あけ作業を行います。

通常は工場で済ませてくるのですが、今回は他工事との兼ね合いで穴あけ作業のみ現場で行います。(この段階で石材下端の荒らし方の足りない部材は充分に荒らしていきます。)

下処理の済んだ部材を据付け。階段部分の据付けモルタルを置いている様子ですね。ちなみに外柵の石は中国産白御影石のG623。

弊社では据付け用のモルタルは水を適量加え、しっかりと練りこんだものを使用します。柔らかいモルタルが石の下端のザラザラに荒らした部分に入り込み密着します。ここがまた重要な部分なんです。

業者によっては水分をあまり加えずにバサバサのモルタル(バサモル)で据付けを行ってしまうところもあるようです。ですがバサモルでは荒らした部分にしっかりと入り込みません。また水気がなければ密着もしづらいです。

作業効率は上がるので、お墓を早く仕上げるにはいいのかもしれません。早く仕上がる分だけ人件費がかからないので、工事価格にもある程度反映してくることと思います。

でもそうして仕上げたお墓をお勧めすることは、ちょっと私にはできませんよね。お墓の工事ではどこが大事なのか。何が大事なのか。そんなことを忘れてしまいたくはありませんから。

据付け1日目が終わった様子です。直角などをしっかり確認しながら外柵の根石周りを据え付けてきました。地墨をうったこともあり、寸法もほぼほぼきちんと収まり一安心ですね。

2日目は納骨室の据付けと、羽目石(囲い)や塔婆立ての部材を据付け。ここからは接着剤メインの据付け作業になってきます。主に使うのは変成シリコン系の接着剤、俗にいう石材用のコーキングです。

羽目石の据付け直前の様子。団子状にコーキングを配してあります。石を置くとこれが「ぐちゃっ」とつぶれて広がります。接着面を広くとることが大事だと思います。

石同士はステンレス製金具で補強してあります。

以上、ここまでが2日目の工程。この日に据え付けた石に関しては、補強金具の締め付けは行いません。締めることで負荷がかかり、石が動き出す恐れがありますので。

基本的に石は据え付けたら、その日は動かさないことが大事なんです。

そして3日目。納骨室周りの金具を締めこんで盛り土部分には砂利を入れていきます。その上で雑草防止のために土系舗装材を施工していきます。

その後、芝台の据付けを行います。石塔に使う石は福島県の誇る銘石、浮金石(うきがねいし)。国産では数少なくなった黒御影石のひとつです。

2年前の夏に現在の採掘場を見学して以来、初めての邂逅。YouTubeにあげた動画も貼ってみます。

うん、やはりこの石は美しい!久しぶりにこの石を扱う機会をくださったお施主様には、本当に感謝したいです。ありがとうございます。

3日目の作業としては、このあと入口敷石部分の土間コンクリートを打設して終わり。一日フルに使えば石塔据え付けくらいまでは行けるかもしれませんが、ここでも据えたばかりの芝台を動かしてしまうことにつながるため行いません。

残った時間は、次の日に行う別の現場作業の積み込みなどに充てていきます。

ということで、本日は他の現場のコンクリ打ちを行って、午後から石塔本体の据付けに行ってきました。

接着剤を惜しみなく使い、免震材と併用しての石塔据え付けです。昨日施工した土系舗装材もそっと乗る分には問題ないくらいに仕上げっていました。

そして石塔の建ち上がり。9寸角の標準型石塔です。

黒御影石といっても外国産のようにベタっとした黒ではありません。しかし品格が感じられる浮金石。本当に立派なたたずまいだと思います。

他に墓誌台や入口部分の敷石を据え付けて午後の作業は終了になりました。ここまで来たら完成まではもうあと少し。半日程度の作業量で終えられることでしょう。

すべて完成すれば堂々としたお墓になることと思います。完成が楽しみになってきました。


2019年5月29日(水)

さてさて、昨日の午前中に敷石一枚と踏み台の据え付けを済ませてきましたよ。これにてこちらのお墓の工事はすべて完了しました。

入口から奥へと段差を付けずにフラットに仕上げた外柵。立ったままでのお参りが可能です。入口のみ段差がありますが、足腰の弱った方でもお墓参りがしやすい形だと思います。

踏み台もついて、上の段に上がるときにも上がりやすく。

国産黒御影石、浮金石製9寸角和型石塔の堂々たる姿。堂々として立派です。

周囲にも建立年の古い国産黒御影の石塔が建っており、とても自然に周囲に溶け込みました!

近く、完成報告とお引渡しということになります。

このたびは吉澤石材店に建墓工事をご用命くださり、本当にありがとうございました。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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