本小松石の産地 真鶴に行ってきました。

2019年5月7日(火)


川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

我がふるさと神奈川県。お墓に使われる石って神奈川でも採掘されていますよ。

一番有名なところでは、やはり真鶴で採れる小松石。

本小松石とも呼ばれていて、研磨すると穏やかなグレーがかった緑(あるいは赤、と言っても赤グレーといったほうが良いか)の石肌になる素敵な石。神奈川が誇る歴史ある銘石です。

今日はこの石の産地に行ってきました。

訪問先は本小松石の採掘元、亀川石材店さん。写真の男性が社長の亀川洋さんです。

いい笑顔(^^)/

ところでこの小松石、本磨きで仕上げるよりも叩いて仕上げたほうがもっと素材の持つ魅力が高まる石じゃないかなって、いつも思うんですね。

亀川さんと一緒に写っている五輪塔は名付けて『東京五輪塔』。

何だかオリンピックみたいなネーミング(狙っているはずですw)ですが、要は東京の狭めの墓地サイズでも建てられるよう工夫された五輪塔です。

この五輪塔の仕上げがノミで叩いた(むしった)石肌なんです。

木陰に設置してあるので、以前見た時よりもだいぶ苔色(緑)に染まりだしていました。

普通に磨いたお墓では、苔や水アカなどが付くとすなわちそれは『汚れ』となってしまいます。だけど叩いた仕上げでは、むしろコケがのったり黒ずんだりすることで、逆に石そのものが持つ風合いがよけい増してくるもの。このあたりは庭灯籠などと同じですね。

特に小松石の場合、落ち着いた石肌にこの自然のスパイスがとてもよく馴染みますよ。

加工手間がとてもかかるため割高になるのが弱点かもしれませんが、叩き仕上げの塔って、建った時からどんどんとその良さ・魅力が増してくる、究極の『汚れに強いお墓』といってもいいと思いますね。

個人的にはこんな塔が欲しいのですが、その欲望はひとまず置いておいて…

小さな一石五輪塔を仕入れてきました。

とても可愛らしいです。定規で引いたような直線ではないので柔らかみを感じます。愛着がわいてきそうですね。

そしてノミ痕が残る石肌には、石が本来持っている温かみを感じます。

これをお墓はもちろんのこと、庭の片隅などにも置いておいたら年数がたった時にすごく良い風合いになっているんでしょうね。

参考までに書いておきますが、鎌倉期に建てられた古い五輪塔にもこの小松石と同質の石が使われていることから、その耐久性も何の心配もありません。

鎌倉・浄光明寺にある五輪塔

本小松石の叩き(むしり)仕上げ。お墓にすれば最高の塔になりそうですね。子孫をはじめ後世の人に「いいお墓建てたなー」って思われること間違いなしかな。

それはともかくこの一石五輪塔、ずっと手元に置いて成長させてみたくなりそうです(笑)

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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