川崎市多摩区の寺院墓地で新規墓所工事②|砕石転圧と基礎コンクリート打設まで

2025年12月6日(土)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

先日ご紹介した寺院墓地での新規墓所工事、
順調に進んでいます。

古い大谷石の土留めを解体し、墓所を更地に
戻してから数日。

今回は、砕石による地盤づくりと
基礎コンクリートの打設までの工程をご紹介します。

解体から出た残土は2トンダンプ6台分

まずは、解体と掘削で出てきた残土の搬出から。

古い土留めややわらかい土を取り除いていくと、
最終的には、2トンダンプで6台分ほどの土が
現場から出ていきました。

古い大谷石の土留めを解体し、土を掘り下げたあとの墓所全景

現場で見ていると感覚が麻痺しがちですが、
こうして運び出してみると相当な土量です。

限られた墓所の面積でも、掘り下げるとこれだけ
の量になるということを、あらためて実感します。

丁寧に砕石を重ね、締め固めていく

残土と廃材の搬出が終わったら、
いよいよ基礎づくりの開始です。

砕石投入の様子

最初に行うのが、40-0砕石による地盤づくり。

大小の石が混ざった砕石を薄く敷き、機械
(ランマー)で締め固める作業を、何度かに
分けて繰り返します。

40-0砕石を層状に敷き、ランマーで層状に締め固めながら地盤をつくっているところ

今回の現場は、典型的な関東ロームの土でした。
この土は、水を含むとやわらかくなる性質が
あるため、砕石の締まり具合には少し気を遣います。

あまり入念に突き過ぎても、かえって土が緩んで
しまいます。それを防ぐ意味でも40-0砕石を
層状に転圧していくことが大事です。

転圧を繰り返すうちに、足裏の感覚が「カチッ」
とした手応えに変わっていきました。

納骨室の水抜きと改良マス

砕石層が落ち着いたら、その上に鉄筋を組み、
沈まないようサイコロ(スペーサー)で支えながら固定します。

あわせて今回も、完成後に納骨室になる位置に
合わせて、排水を兼ねた改良マスも設置しました。

納骨室の中に雨水などが浸入したとき、ここから
外へ抜けていくようにしておくことで、
長い目で見たときの室内のコンディションを守る狙いがあります。

砕石転圧のあと、二軒分に分けた鉄筋配筋と、納骨室用の改良マスを配置した状態

兄弟で並ぶ二つのお墓。基礎はきちんと分けて

今回の墓所では、兄弟お二人のお墓を、
横に並べて建立する計画です。

基礎コンクリートについても、将来のこと
を考えると、それぞれ独立していた方が
絶対によいと考えます。

たとえば、どちらか一方だけ事情が変わって、
墓じまいを考えざるを得なくなることも、
今の時代はゼロとは言い切れません。

そこで基礎工事の段階から、二軒分の基礎を
きちんと分けてつくることにしました。

境界の位置に合わせて見切り材を入れ、
レーザーで高さを確認しながら、
二つの基礎を、互いに影響し合わない
別々の構造として作っていきます。

こうしておけば、将来どちらか片方を
動かさなければならなくなった場合でも、
一体になった基礎を大がかりに壊す必要がなく、
もう一方のお墓への影響も最小限で済ませやすくなります。

今のお施主さんにとっての安心だけでなく、
次の世代、そのまた次の世代が判断を迫られた
ときのことも、できる範囲で織り込んでおきたいと思っています。

現場に合わせたコンクリート打設

配筋や見切りの段取りを終えれば、
いよいよコンクリート打設です。

今回は、空練りコンクリートを、現場ミキサーを
使いながら、無理のない分量を数回に分けて
練り、その都度打設していきました。

一度に大量の材料を持ち込んで慌ただしく打つ
のではなく、どの部分も同じような状態の
コンクリートが行き渡るよう、現場の大きさや
人手に合わせてペース配分を考えています。

配合についても、お墓の大きさや地盤の状態に
対して十分な強度が出るよう、気温や打設時間、
養生のしやすさとのバランスを見ながら決めています。

現場ミキサーで練ったコンクリートを打設し、高さを確認

打設後はしっかり養生。冬場だからこその配慮

この日は日当たりのよい現場で、お昼頃には
コンクリート打設が完了していましたので、
そのままでも大きな問題はなさそうに思えました。

それでも念のため、コンクリートの表面に
土間シートをかぶせ、その上から毛布で全体を
覆っておきました。

打設した基礎を土間シートと毛布で覆い、冬場の冷え込みと乾燥から守る

夜間の冷え込みや乾燥で表面だけが急激に
乾いてしまうと、凍結や細かいひび割れの
原因になることがあります。

コンクリートが落ち着くまでの数日間、
急な温度変化や強い風に晒さないようにする
ことも、しっかりした基礎づくりの一部だと思っています。

「見えない部分」こそ、しっかりと

解体に手を付けてから、ここまででちょうど5日間。

こうした、工事が終われば目に触れることのない
「土台部分」こそが、これから何十年もお墓を
支え続けていく、とても大切な仕事だと感じています。

墓じまいという言葉が当たり前に聞かれる時代
ですが、建てるお墓の工事は全力で!

さて、この後は一週間ほど期間をおき、
コンクリートの状態を確認しながら
外柵の据え付けに入っていく予定です。

また工事が進みましたら、ご紹介しますね。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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