狛江市の寺院墓地 外柵のリフォーム工事が終了。
2017年11月17日(金)
川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。
狛江市の寺院墓地での外柵リフォーム工事、今日すべての作業を終えて完工しました。
以前の外柵は大谷石製。木の下にあるお墓のためか、比較的大きな破損もなく過ごしてきましたが、夏ころに羽目石(下の写真で家紋が付いた石)の角が崩れてしまいました。
昨年にご納骨した際、耐用年数に近いことはお伝えしていましたが、実際にはあと数年くらいいけると思っていました。
大谷石外柵の場合、あとどのくらい使っていけるかを見極めるのは、けっこう難しいものですね。
それはともかくとして、一部が傷んできたということは、全体的にも傷みが来ているということでもあります。そうしたことで、お墓一度解体して根本的なリフォーム工事を行わせていただくことになりました。
どんな手順を踏むかと言えば、こんな感じ。今日は基礎コンクリート打設までを少し密に書いてみます。
基礎工事から行うため、まずは今までのお墓をすべて取り外します。
その後は、「根切り」と呼ぶ地盤の掘削。基礎コンクリートになる部分の空間を確保します。この時、こちら側の領域まではみ出している隣接墓所の基礎を削ることもあります。
規程の高さまで掘削できたら、今度は割栗(わりぐり)と言う砕石を敷き込んで機械(ランマー)で叩き込みます。正確には、この作業を終えた時点で基礎コンクリートの厚み分を確保していなければなりません。
その後には鉄筋を配ります。ここのお墓はベタ基礎という、一枚の盤になる基礎の仕様。鉄筋はD13という太めの鉄筋を使用して、井桁に組みます。
将来、納骨室が一杯になった場合に、お骨を土に還すことができるようにマスを配置。このマスは納骨室の水抜き穴も兼ねます。円柱状の管も水抜き穴になります。
ここでいよいよコンクリートの打設。鉄筋に馴染ませながらの作業です。
写真でお墓の左右の木の板は遣り方(やりかた)と言い、既定の高さで水平になっています。この遣り方に糸を張り、そこからコンクリートの仕上がり高さを合わせていくのです。
何だか原始的なようですが、一番間違いがありません。均し終えれば基礎工事が終了です。
他の工事との兼ね合いもあり、基礎コンクリートの養生期間をたっぷりと取って、いよいよ石の据付。いつもと同じ手順確実に行っていきます。
事前に会社で検品と、補強用のアンカーボルト用の穴あけを行っておいて…。
現地での据付け作業。
モルタルで据付ける部材には、必ず下端(したば=下面)を荒らします。練ったモルタルがこの窪みに入り込み、石をしっかりと固定するのです。
石同士の接合部は、石材用の弾性接着剤を使用。プラスアルファの意味で、補強金具を取り付けています。もちろん、基礎コンクリートと石の接合部にもこの補強金具を配します。
下の写真で一つだけ色の違う石がありますが、これは灯篭が乗る部分の受け(重さを受ける)になります。
この受け石の役目は重要です。石は重いため、土だけではその重さを支えきれず、不同沈下を起こしかねません。それを防ぐのが受け石。まさに縁の下の力持ち的存在なのです。
石塔本体の据付けも弾性接着剤、そして免震パッドの「絆」もあわせて使っています。黒御影石の石塔も、水アカ汚れを完全に落としたので、見違えるほどきれいになっていますね。
そして今日、足りなかった部材を納めて工事はすべて完成になりました。正面よりの完成写真はこちらです。以前のよりも、ずっと丈夫なお墓になったと思います。
新たに黒御影石製の香炉を取り付けたので、お墓参り時に少々の雨でも心配ありません。
また、埋め土の部分も土系舗装材を施工したので、雑草などの心配は当分ないと思います。
立地が木の下のため、どうしても樹液などで汚れることは多いでしょうが、御影石製に変わったので、お墓本体は長く使っていけると思います。
この秋は一時不安定な天候が続いたこともあり、完成が予定よりも遅れてしまいました。ご法事の予定などもなかったとはいえ、お施主様には長くお待ちいただき、申し訳なく思っています。
新たな御影石製の外柵は、崩れる心配はまずありません。作業も入念に行ったので、ぜひ安心してお墓参りをしていただきたいです。
このたびは本当にありがとうございました。
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