ビル型納骨堂の報道を読み、以前から気になっていたこと
2026年7月27日(月)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
今日、都内のビル型納骨堂をめぐる報道を
目にしました。
個別の経営を論じるつもりはありませんが、
資金繰りが悪化し、差し押さえから
競売にまで進んだという内容でした。
この報道を読んで、
以前から気になっていたことを思い出しました。
何年か前、業界団体の勉強会で、自動搬送式の
ビル型納骨堂を視察したことがあります。

駅から近く、冷暖房も効いて、
天候に左右されずにお参りができる。
草むしりもいらない。
利用する方には、便利な場所だと思いました。
ただ、そのとき私は、
この建物は日々の管理だけでも大変だろうな、
と感じていました。
ビルである以上、
いつかは大規模な修繕の時期が来ます。
空調やエレベーターなど、
建物に備わる設備も
更新していかなければなりません。
とりわけ自動搬送式の場合には、
それだけではありません。
参拝スペースまで厨子を運ぶ搬送機械があり、
それを動かす制御設備があります。
そこにも日々の点検や修理が必要で、
いずれは設備そのものを
更新する時期も来るでしょう。
そうしたメンテナンスには、
かなりの費用がかかると聞いた覚えがあります。
そのときの漠然とした感覚が、
今回の報道でよみがえりました。
建物の修繕も、機械設備の更新も、
そして日々の管理も、
結局は何十年先まで運営を続ける
仕組みと資金があるか、という一つの話です。
今回報じられたのは、
修繕費が足りなかったという話ではなく、
資金繰りが悪化した末の差し押さえ、
そして競売ということです。
永代供養をうたっていても、
運営が続かなければ、「永代」という約束も
不確かなものになります。
これは、ビル型納骨堂だけに限った話ではなく、
供養の場所を長く残す以上、
どの形にも問われることです。
ただ、自動搬送式のビル型納骨堂には、
建物だけでなく、搬送機械や制御設備を
維持し続けるという固有の課題があります。
しかも、この供養の形は、
まだ歴史が長いとは言えません。
何十年先まで、
誰が、どうやって支えていくのか。
その仕組みは、
利用する側からは見えにくいものです。
私は仕事柄、何十年、
時には百年以上前につくられたお墓を
目にします。
長い年月を越えて受け継がれてきたものには、
それだけの実績があります。
もちろん、石のお墓がすべて安心だと
言うつもりはありません。
それでも私は、供養の場所には、
便利さだけでは測れない時間の長さがあると
思っています。
新しい仕組みほど、
その先を支える仕組みまで見ていく必要がある。
今回の報道を読み、あらためてそう感じました。
では。
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