流行が静かになったあとに残るもの——供養はやり直しのきかない選択だから
2026年3月17日(火)
こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
少し前に、キャンプブームの終焉について
語った動画を見ました。
コロナ禍で一気に人が押し寄せ、
道具も飛ぶように売れたのに、
流行が過ぎたらあっという間に
人がいなくなった。
残ったのは、
もともとキャンプが好きだった人だけだった。
そんな内容でした。
また、同じ動画内では、
これを 90年代のスキーブームと重ねていました。
あの頃もゲレンデに人が殺到して、
ブームが去ったら一気に静かになった。
流行とは、どうやらそういうものらしい。
実は、この動画を見ながら、
私が考えていたのはまったく別のことでした。
新しい葬送形式とされる
樹木葬や海洋散骨のことです。
ここ数年、
「お墓はいらない」
「子どもに負担をかけたくない」
「自然に還りたい」
という言葉とともに、
新しい供養の形への関心が急速に高まりました。
その気持ちは分かりますし、
向いている方もおられると思います。
自分の代で終わることがはっきりしていたり、
後を守る人が現実にいなかったり、
そうした事情のある方にとっては、
海洋散骨や樹木葬が
よい選択になることもあるでしょう。
新しい供養の形そのものを
否定するつもりはありません。
ただ、キャンプやスキーの話を見ていて、
どうしても思うことがあるのです。
スキーの板は、使わなくなったら売ればいい。
キャンプのテントも、
飽きたらリサイクルに出せばいい。
片付ければ済む話です。
けれど供養の場合はそうはいきません。
対象はお骨です。
海に流してしまったら、もう戻ってきません。
樹木葬も形態によっては、
一度埋葬したら取り出すことができません。
道具の買い替えとは、
取り返しのつかなさの次元がまるで違います。

だからこそ、
供養の形を流行の空気で決めてしまうことに、
私はどうしても怖さを感じます。
「今はこれが主流です」
「皆さんこちらを選ばれています」
「お墓を持たないのが今どきです」
そうした言葉に一理はあるのかもしれません。
けれど、その言葉だけで決めてしまって、
あとから
「やっぱり手を合わせる場所がほしかった」
と思ったとき、もう元には戻せない。
キャンプ道具なら買い直せます。
スキーならまた始められます。
でもお骨は、
一度手放したら戻ってこないのです。
正直に言えば、私は石屋ですから、
樹木葬や海洋散骨を希望される方が
直接うちに相談に来られることは
そう多くはありません。
けれど同業の人間との話や、
お客さんとの雑談の中で、
そうした話題が出ることは増えました。
その中で時々感じるのは、
自分でしっかり考えて選んだ方と、
なんとなく空気に押されて
そちらへ流れた方がいるのだろうと思います。
前者は、それでよいと思います。
納得して選んだのなら、
それがその人にとっての正解です。
ただ後者の場合、
いつか気持ちが変わったときに戻る場所がない、
ということにならないだろうかと、
余計なお世話かもしれませんが
気になることがあります。
流行がいつか落ち着いたとき、
「自分にとって本当に必要だった形は
何だったのだろう」
と振り返る方もいるかもしれません。
そのときに、やり直しがきくかどうか。
ここが、レジャーの流行と供養の選択の
決定的な違いです。
お彼岸は、
ご先祖様のことを思い出す時期であると同時に、
自分たちのこれからを、
静かに考える時期でもあると思います。
流行の言葉をいったん脇に置いて、
自分たちには何が合うのかを
落ち着いて考えてみる。
取り返しのつかないことだからこそ、
その時間を取ってほしいと、
石屋の立場から思っています。
では。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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