同じ変成シリコンでも中身は違う。建墓で差が出る接着剤の話

2026年1月29日(木)


こんにちは。
川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

今日はお墓工事の施工で使う接着剤について
書いてみます。

墓石用の接着剤は、色々な種類がありますが、
今日書くのは石屋が一番よく使っている
タイプです。

俗にコーキングとも呼ばれていて、
紙やプラのカートリッジに入っています。

ホームセンターなどで売っている
シーリング剤と似た形状ですが、
墓石用は石用に開発されているので
中身が異なります。

こうしたカートリッジの接着剤で
よく見かけるのはシリコン系。

ですが、石工事でこれを使うと、
施工後に油状のシミが発生することがあります。

石には目に見えない空隙があり、
シリコン系接着剤に含まれる油分が
時間をかけて移行してしまうことがあります。

墓石用の接着剤は、
シリコン系ではなく変成シリコンが主成分です。

名前はちょっと似ていますが、石への影響を
極力抑えるように開発されています。

完全硬化後もゴムのような弾性を保つこと。
そして、気温が低めでも作業性が落ちにくい
ことも特徴です。

ただし、施工面が湿っていれば性能は出ない
ので、そこは徹底が必要ですね。

接着力も強く、
剪断強度や引張強度に優れているため、
現在の墓地工事では、ほぼこの接着剤を使用した
施工に切り替わっていると思います。

接着剤の弱点

一つ目は、水分です。

接着剤は、施工面が濡れていると
本来の性能が出ません。

雨の日でも工事を続けてしまう事例を
見たことがあります。

ただ、私はそれはやりません。

雨が上がったあとでも、
石が湿っていることはよくあります。

そういう場合は、完全に乾くまで待ちます。
早めに表面の水を拭き取り、あとは放置。
乾く時間をきちんと取ります。

バーナーで炙っても、下から染み込んだ水が
上がってくることがあります。
やはり、それではダメなのです。

だから、焦って進めるより、
待つ判断をします。

価格より品質

値段だけで良し悪しは決められません。

ただ、極端に安いものを見たときに
「本当に大丈夫か」
と疑うのは自然な感覚だと思います。

同じ「変成シリコン系」と書かれていても、
モノによって中身はかなり違います。

私が基準にしているのは、実績とデータです。

劣化試験はどうか。
実際に経年でどう変化するか。

最近では、解体工事も増えてきて、
自社の施工の案件では、接着剤の施工が
効果的だったかどうかも、
感じられるようになりました。

被災経験地の石屋さんとも情報共有しています。
使用する接着剤の話や、
従前に使っていたものの結果も含めて。

その結果、使用する接着剤を
変えたこともあります。

いずれにしても、そうした積み重ねの上で、
信頼ができるかどうかを確認して
使う接着剤を決めています。

逆に言えば、
そうした検証や実績がはっきりしない材料は、
うちでは採用しません。

※「変成シリコン系」でも、中身は色々です(比較イメージ・銘柄は伏せています)

清掃の話

接着剤の話なので、どの製品を使うかばかりを
考えがちになるでしょう。

ただ、実際にはその前段階も重要です。

施工面が汚れていれば、
どんな接着剤でも力は出ません。

清掃は、主にパーツクリーナーを使います。
油分や粉、余計な汚れを落とすためです。

乾燥と清掃。
この二つが揃って、
はじめて接着剤が仕事をします。

施工時の管理が大切

接着剤を使うから、
何でもかんでも安心だという話ではありません。

雨の日は工事をしない。
湿っていれば乾くまで待つ。
乾燥と清掃を優先する。

この判断が重要です。

表から見えないところほど、
手を抜きやすいものです。

だからこそ、接着剤や施工条件の話を、
あえてこうして書いています。

そしてもう一つ大事な点。
それは接着剤を使う量です。

どんなに優れた接着剤でも、
使用量が少なくては力を発揮しきれません。

石厚を確保するなど、
接着面積を極力大きくとるための工夫も
必要です。

当然、接着剤を多めに置くことも大切です。

こうした少しずつの工夫と考え方が、
丈夫なお墓づくりにつながります。

材料の性能だけではなく、
施工時の管理や施工方法、施工後の養生。

それらを含めたトータルな考え方が、
実は一番大切だと私は思っています。

「どこも同じだろう」と思っている方ほど、
こうした部分を比べてみてほしいのです。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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