墓じまいが「正解」とは限らない。――立ち止まるという選択

2026年1月22日(木)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

先日、こんな記事を目にしました。

『墓じまいなんて、するんじゃなかった…』

月17万円の年金で暮らす68歳の男性が、
「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから
地方の先祖代々の墓を墓じまいし、
最寄り駅近くの自動搬送式納骨堂に改葬した。

ところが納骨式の日、
思いがけず親族から強く反対され、
以来連絡が途絶えてしまった。

さらに、その納骨堂の運営法人が
経営不振に陥っているというニュースを耳にし、
「こんなことなら、
墓じまいなんてするんじゃなかった」
と後悔している――という内容です。

『墓じまいが正解』一色に見えるけれど

最近、
「墓じまいが正解」「お墓は負の遺産」
といった論調の記事をよく見かけます。

確かに、少子高齢化や核家族化が進む中で、
遠方の墓を守り続けることが
難しくなっているご家庭が多いのは事実です。

でも、だからといって「墓じまい一択」という
風潮には、私は違和感を覚えていました。

この記事は、「脅し」として読むものでも、
「だから墓じまいはやめろ」
という話でもありません。

ただ、一色になりがちな議論に、別の角度
――親族の感情、運営の継続性、
相談不足といった視点――
が出てきたという点では、
考える材料になる記事だと感じました。

石屋として感じること

石材店を営んでいると、
さまざまなご相談をいただきます。

墓じまいを検討されている方からのご相談も、
年々増えています。

そのほとんどが、
「子どもに負担をかけたくない」という
優しい思いから出発しています。

でも、その優しさだけで決めてしまう前に、
一度立ち止まって考えてほしいのです。

本当に家族や親族と話し合ったか。
納骨先の選択肢を比較検討したか。
10年後、20年後のリスクを確認したか。
運営母体の信頼性は大丈夫か。

冒頭で紹介した記事のようなケースも、
実際にあると聞きます。

また、業界の中では、
親族間で揉めてしまった話や、
納骨先の選択で後悔された話も耳にします。

結果として、
墓じまいで懸案が解決するどころか、
新たな心配のタネを抱えることになる。
とても残念なことです。

これは、「墓じまい」そのものが悪いのではない。

決め方に問題があるのです。

墓じまいに、正解も不正解もない

誤解のないように申し上げておきますが、
私は墓じまいそのものを否定しているわけでは
ありません。

事情は家ごとに違います。

遠方で年に数回しか行けない。
足腰が弱って墓参りが困難になった。
本当に継ぐ人がいない。

そういった、やむを得ない事情がある方も
多いのです。

墓じまいが最善の選択である方も、
当然いらっしゃいます。

ただし、あまり深く考えずに決めていい
選択ではない。

それだけは確かだと思っています。

石屋として、私にできること

石屋として、不安をあおるつもりはありません。

ただ、十分に検討する前に結論を急ぐご相談は、
お請けできかねます。

同時に、「これからは墓じまいが正解」
と断じる記事にも、私は違和感を覚えます。

大切なのは、皆が納得して決めることです。

もし墓じまいを検討されているなら、
まずは信頼できる石材店や、お寺、ご家族と
じっくり相談してください。

相談することで、初めて見えてくる
選択肢があるかもしれません。

どんな方法を選ぶにしても、大事なのは
「誰とどう確認したか」が、あとで振り返った
ときに残っているかどうかです。

私はこれだけは言います。
墓じまいは、重い決断です。

焦らず、急がず、立ち止まって考える。

それが、
ご先祖様にとっても、ご家族にとっても、
そして何より、決断されるあなたにとっても、
一番大切なことだと思います。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

似顔絵現地確認。お見積り・ご提案はすべて無料です。

(有)吉澤石材店 吉澤光宏

ご相談・お問合せは、お気軽にどうぞ。
電話 044-911-2552 (携帯転送なので外出先でもつながります)
メール お問い合わせフォーム

トップページはこちら
お問い合わせフォームはこちら