世界天然石材遺産・茨城の銘石と、石屋の仕事

2025年12月8日(月)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

今日、取引先の茨城の業者さんが来社、
ご覧のようなリーフレットをもらいました。

「筑波山塊の花崗岩」がIUGS(国際地質科学
連合)のヘリテージストーン、いわゆる世界天然
石材遺産に認定されました。

茨城県の銘石である羽黒青糠目石・真壁石・
やさとみかげ・坂戸石・稲田石の五石種が、
世界で55件ほどしかない天然石材遺産のひとつ
として公式に登録されたそうです。​​

どの名前も、石屋にとってはおなじみの石ばかり
です。とくに真壁石や稲田石は、関東近郊の
お墓づくりや建築で長く使われてきた石。

私自身も何度となく使ってきましたし、産地を
訪れました。

硬くて風化に強く、磨けば素直に光沢がのる、
まさに誠実な性格をした石だと感じています。​

こうして「世界天然石材遺産」と名前が付くと、
どこか特別な石に思えるかもしれません。

しかし、関東の石屋にとっては親しみ溢れる、
近所の兄ちゃんのような存在でもあります。

そして、石そのものは何千万年という
途方もない時間をかけて、
静かに地中で育ってきた存在です。

人間が今回のように「価値がある」と認定した
から、急に立派な銘石になったのではなく、
ただその価値に「気づいた」に過ぎません。​

大事なのは、気づいたあとの扱い方だと思います。

どこで採れたどんな石なのかを知ったうえで、
適した場所に、無理のない形で大事に使っていくこと。

お墓であれば、石そのものの性質だけでなく、
そこに眠る人や手を合わせる家族の思いも含めて、
「この石で建てて良かった」と何十年先にも
言ってもらえるようにしたい。​

世界的な認定があってもなくても、
私たち石屋のやることは変わりません。

良い石を選び、丁寧に加工し、しっかりとした
施工をもって仕上げる。

当たり前のことを当たり前に続けることが、
何よりも大切なはずです。

今回のような出来事をきっかけに、
「茨城の石、そして国産の石」を、
少しでもお客様に知っていただきたいと思います。​

もちろん、どんな石であっても大切なのは、
言葉で安心を売るのではなく、仕事で安心を残すこと。

一つ一つの墓所でその姿勢を守りながら、
これからも仕事に取り組んでいきたいと思います。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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