大谷石を使ったお墓の外柵リフォーム工事。東京稲城市の寺院墓地。

2017年12月16日(土)


川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。

久しぶりに大谷石を使ったお墓のリフォームを行いました。

初めに言っておくのですが、大谷石は決して悪い石ではありません。温かみのある表情、多孔質で調湿できる性質、そして耐火性にも富んだ石です。

何しろ温かみのある表情はこの石ならでは。おまけに加工のしやすさも。

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昭和40年代のころには外柵にも多く使われた実績もあります。もともとは淡い若草色をした素敵な石なんです。

ただ、凝灰岩と言う岩石の宿命かもしれません。どうしても経年による劣化が避けられません。石肌は少しずつ茶色っぽくなり、角の部分などが脆くなってしまいます。

今回のお墓も塔婆立ての柱に亀裂が入り、金具が外れてしまっていました。

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私の見るところ、柱自体も少し細すぎるのではないかと。この石の場合、細い棒状の部材で使うなら、もっと太めの石を使うべきだと感じます。

それはともかくとして・・・今回の補修では、大谷石にて柱を作り直すのは提案しませんでした。古い大谷石の上に、新たに背の高い部材を据付けるのは少し憚られますので。

こうした場合は、ステンレス製柱の塔婆立てが有効。塔婆の枚数もそれなりに入るし、足元をコンクリート(あるいはモルタル)で固定するので、結構しっかりとして、使えます。

塔婆立て本体と、つながっている囲い(羽目石)まで外し、新しい大谷石で囲み直すことにしました。

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囲み直すと言っても、後ろ側の部材だけ。細く小さな部材を継ぎ足すのではなく、一つの石で囲い(羽目石)を作り直して据付けます。

モルタル据えになるので、当然合口を荒らしてモルタルの付きを良くします。

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石塔本体がお墓の敷地いっぱいまで後ろに寄っているため、石塔の真後ろは厚みを薄くして対応。左右の囲いの高さが異なるため、二分割にして据付けました。

古い外柵を活かしてリフォームする場合、外柵本体の歪みや沈み込みなどの影響で、きれいに帳尻が合わないことも時々あります。

そんな時には、微妙な調整をしながら部材を据付けていきます。

完成はこんな感じに。塔婆立てが石塔の真裏に配置できないため、右側面の後ろよりに再配置しました。

DSCN1592

化粧砂利も敷直して、ずいぶんと明るい雰囲気に変わりました。以後、安心してお墓参りしていただけると思います。

このたびはご依頼いただきまして、本当にありがとうございました。そしてずいぶんとお待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。


※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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