お墓掃除で、自分で石を動かす時。これだけは頭に入れておいてください。
2017年8月5日(土)
また、夏の暑さが戻ってきましたね。
こんにちは。川崎市多摩区の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。
お盆前の土曜日、時間差で三件のご納骨のお手伝いをしてきました。
時期が時期だけに、お墓掃除に来ている人も何人か見かけましたが、日差しが強いので熱中症には十分ご注意いただきたいと思います。
さて、今日は熱中症とは別に、お墓参りのときに気を付けてほしいことの「一つ」について書いてみます。
実は、お墓で石が固定されていない部分があることをご存知でしょうか?
例えばこうしたお墓。花立(はなたて)と水鉢(水鉢)が独立した豪華なタイプの墓石です。
ご納骨で拝石の開け閉めがあるために、●印の部材はまず間違いなく固定されていません。そして、※印の部材も固定されていないことが多い部材です。
丁寧に掃除しようと、もしこれらの部材を持ち上げて移動させようとする場合には、どうかお気を付けください。
石は見かけよりもはるかに重いです。簡単に傾けたりは出来るかもしれませんが、全体を持ち上げようとすれば話が別です。
上げきれなければ指をつぶすかもしれませんし、滑って落とせば足をつぶすかもしれません。絶対に無理をしないようにしてください。
もし持てる重さだったとしたら、移動する場所をしっかりと確保しておかなければなりません。
破損防止のために雑巾などを敷き、そっと下ろす気配りが必要です。重いからと一気に下ろせば、角が当たった部分はおそらくパチンと欠けると思います。
よくブログで書いている通り、石は硬いですが、ぶつけると欠けやすい性質があります。
こうしたお墓の部材は、丸で囲んだ部分が欠けているのを目にします。
花立石は比較的軽めな部材なので、汚れを掃除して戻す時にぶつけて破損してしまうのです。合わせ目だけではなく、下端の部分も欠けていることが多いですね。
残念なことに、これらはお墓参りを多くして、よく掃除されているお墓で見かけることが多かったりします。つまり動かす頻度が高いということですね。
動かす時も注意ならば、戻す時にも注意。いや、場所が石の上ですから、むしろ戻す時の方が「要」注意なのかもしれません。
汚れをよく掃除したいという思いは、とても素晴らしいことです。そうしたお宅のお墓が破損するのも忍びないので、石を動かす際に気を付けるべきことを少し書いてみました。
ご参考まで。
でも、お客様の安全性を第一に考えると、ご自身で石を動かすことを、あまりお勧めしたくはありません。石屋としての私の偽らざる気持ちですね。
※和型の石塔の場合、弊社10年ほど前からは「切出し水鉢」と呼ぶ、独立していない形を推奨しています。また、独立型でも破損や怪我防止のために接着剤を点づけして固定しています。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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