磨くとどうなる?黒御影石の『七変化』
川崎登戸の町石屋、吉澤石材店です。
少し手が空いたので、SMPという黒御影石を研磨してその研磨面の色がどう変わっていくか試してみました。
本磨きではこんな感じの石です。『黒』といっても細かい石目はありますけどね。(青っぽく見えているのはスキャナーで読み込んだ関係だと思います)
黒御影石は最初からこんな色をしているわけではありません。
まず初めに切削した面を#200(200番とも)という粗さで仕上げた研磨面の様子。見た目、黒というよりグレーです。
見にくいですが、近くで見ると砥石の痕(傷という意味)が円形に走っていたりします。
続いて#400という粗さで研磨をかけた様子です。少し黒っぽくなっていませんか。この仕上げでは石目は結構はっきりしていますね。
砥石の痕はほとんど気にならなくなっています。
引き続き#800。けっこう色が濃くなってきました。この仕上げではまだ仕上面に顔が写りこんだりはしません。
石の目はあまり気にならなくなっているような。
実際には砥石が通った跡(傷の「痕」ではありません)が少しムラのように残ったりします。
次は#1500。#800よりもかなり黒くなってきました。
この仕上げまで来るとツヤが出て、映り込みもするようになってきます。#800同様、磨きムラ状の砥石跡はまだ残ります。
その上の番手、#3000で仕上げた面。
わかりにくいですが、#1500仕上げよりも確実に色が濃くなっています。でもスキャンしたらあまりわからなくなってしまいましたね。
こんな感じに番手を変えながら磨いていくことで、だんだんと黒御影石のイメージ通りに仕上がっていくわけです。
例えば採掘した状態の石なら、当然のことながら#200よりももっと明るいグレーです。
弊社では白御影石の石塔の墓誌に、黒御影石(インドのクンナムという石)をお勧めしたりしています。
理由は主に戒名の小さな文字がハッキリと見やすいため。
磨いていない黒御影石がどんな色をしているのかは上の写真の通りなので、色付けしなくとも文字がハッキリと見える理屈を理解していただけるのではないでしょうか。
今日はこんなことを書いてみました。
また、よろしくお願いします。
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