冬晴れの川崎市緑ヶ丘霊園でお墓の解体。その顛末記。

川崎登戸の町石屋、吉澤石材店です。

思ったよりも冷え込まず、穏やかな天気になってくれました。今日より高津区の緑ヶ丘霊園でお墓の解体作業に取り掛かりました。

まずは、墓前でお坊さんに閉眼のお経をあげていただき、その後にお骨の取り出し。

今回は改葬のため、お施主様がお骨を持ち帰りることになります。そのために、事前にお断りして納骨室内の確認を済ませておきました。

骨壷には水が溜まったりする(結露のため)こともありますし、施工年の古いお墓では骨壷自体がとても汚れてしまっている場合もあるためです。

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公営霊園の場合は、作業後に状況写真の提出を求められることが多いと思います。それはすなわち、きちんとした作業が要求されるということでもあります。

ちなみに弊社では、お施主様に確認していただく意味で、どの現場でも状況写真を撮影しています。まあ、今はどの石材店でも同じだとは思いますが。

広い場所のため、カニクレーンを入れての作業。

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下周りは大谷石で出来ている外柵のため、取外しそのものは比較的やりやすいかもしれません。接合部の補強するカスガイが入っていなかったので、壊すのにはありがたかったです。

ただし、根石(周囲の土台になっている石)の厚みが想定より厚く、ちょっと驚きました。通常5寸(約15cm)のものが多いところ、こちらは7寸(約21cm)。言ってみれば4割厚です。

下見の時によく確認すればよかったのですが、勝手に5寸と判断して見逃していました。廃材の量にも影響するので、以後気を付けなくてはなりません。

この霊園で返還工事をする場合には、納骨室の直下30㎝を掘り下げる決まりになっています。これはお骨を土に撒いている(埋めている)ケースもあるかもしれないという意味でです。

つまり、お骨を置き去りにしてしまわないように、ということですね。

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そんなこんなで、とりあえず一日目が終了。カニクレーンがあるうちに、大まかなものは取り外してしまうことができました。

積み込み状況もこんな感じでパチリと。(まだ全部積みきっていない状態ですが)

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月曜日には、掘削した部分を転圧して締固める作業などもしなくてはなりません。もちろん整地作業もですね。

次にこの墓地使用者の方に迷惑がかからぬよう、最後まで堅実に作業したいと思います。

(続く・・・)


・・・ということで週も明け、緑ヶ丘霊園でのお墓の解体の仕上げに行ってきました。

土曜日のうちにかなり根を詰め頑張ったので、ちょうど作業を終えた時点の様子はこんな感じでした。

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写真では明るく見えますが、実際にはもっと薄暗くなっていました。これじゃ全然根を詰めてないみたいで^^;

今朝は残った大谷石の残材と、モルタルやガラ・大谷石のコッパの片づけから入ります。

大谷石外柵の場合、現場で加工しながらの建込み工事が多かったことから、その破片やコッパが外柵の埋め土の中にたくさん入っていることも多いんです。

それらをなるべく取り除いていきます。次にどこの石屋さんがここで工事をするかわからなくとも、それがマナーですよね。

深めに掘削した納骨室のあたりも、少しずつ土を入れて都度ランマーで転圧して締固め。

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少し手がかかるわけですが、壊して上だけ土を均してハイお終い、というわけにはいきません。納骨室直下だけではなく、外柵全体も一度は転圧しておかないと。

そしてここで土を均し、最後にホウキではいて作業完了。

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以上でこちらのお宅のお墓解体工事が終了になりました。

作業前の写真と見比べると、何もなくなってガランとした空間が少し寂しいですよね。

でも納めてあったお骨は場所を変えてお施主様が守っていきます。全部まとめてゴミ箱にポイなんていうことではありません。

お墓を解体して片付ける―。

見た目は何もなくなりますが、本来簡単に『お墓終い』(※あえて終いとしてあります)という言葉で片付けられるほど無機質なものではないはずです。

作業に入る前、抜根のお経があがっている最中には、お施主様方はずっと手を合わせ目を閉じていました。お骨を取りだした後のお墓にも手を合わせ、写真に納めたりも。

きっと長く使ってきたお墓に対して、いろいろな思いがあったのでしょうね。

そんな様子を見ていると、これこそが無機質ではないことの何よりの証拠ではないのかな、と思いました。

また、よろしくお願いします。


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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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