石の性質をどう量るか。石屋の目線で考えてみた
狛江市も行動テリトリーの一つの、川﨑登戸の吉澤石材店です。
今日は狛江のお寺さんで新しい石塔のお引き渡しとご納骨。時間直前に雨が上がったことで本当に助かりました。
いつも時間前に行って清掃や準備、そのあとに時間待ちというのが通例ですが、そんな待ち時間を利用して以前施工させていただいたお墓を見てきました。そこでなんとなく思ったことなどを―。
さて、石は水を吸う性質があります。もちろん紙や木のように吸うわけではないので、あまり知られていないかもしれません。
軽石をイメージしてみてください。御影石はあそこまで大きな孔はあいていませんが、表面には細孔という細かな穴が無数にあいていて、そこから水を吸い込むというわけです。多かれ少なかれ石ならば必ずです。
よく吸水率という言葉でこの性質を言い表そうとしますが、私はこの数字についてはさほど重要視していません。石を選ぶ時に数字だけを頼りに出来ないからです。(もちろん軽視はしません。吸水率至上主義ではないということです)
石は一つのデータだけで推し量れるほど薄っぺらなものではないと考えています。でも、もし吸水が気になるようならば、吸うだけでなく捌けがどうか、などといった別の視点から見てみることも大切だと思います。
石選びの時には実際に墓地に足を運び、建っているお墓を見ることも大事です。雨上がりの時などはどのくらい水を吸うのか、そしてどのくらい捌けていくのか。そんなことも確認できます。
右のお墓は弊社で8年前に施工したお墓です。使用した石はとある国産の石材。直前まで雨が降っていたので水がたまる面はさすがに吸水しています。色濃くなっている部分がそれです。彫刻文字の周囲も仕方がありませんね。
でも結構降ったわりには他の部分はほとんど変わりがありません。また、水捌けも良いのがこの石の特徴だと思っています。普段はこのようにツートーンになっているわけではありませんが、あえて画像を貼ってみています。
個人的に好きな石の一つということもありますが、この石を使ったお墓はお勧めだなと改めて思いました。
また、よろしくお願いします。
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