年賀状じまいとお墓じまい――似ているようで、違うもの
2026年1月8日(木)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
「今年届いた年賀状がついに1桁になった」
というネット記事を目にしました。
そういえば、自分のところも
年賀状が少なくなったな、と思い当たりました。
出す方も、来る方も。

だんだんと整理は必要なのだろうと
頭では分かっているけれど、
いつのまにか印刷にして、
以前ほど手をかけなくなっている。
「いつか自分も」という感じはあります。
でも、まだ踏ん切りがつかない…。
そして、読みながら、
ふと「お墓じまい」と重なるところが多いな、とも。
枚数が減ると、かえって重く感じる
記事の中で印象に残ったのは、
「枚数が減ると、かえって1通あたりの負担が
重く感じられる」というくだりです。
たしかに、住所録の整理や印刷の段取りは、
10枚でも100枚でも「ゼロにはならない手間」。
それなのに、届く年賀状が減っていくと、
「ここまでする意味があるのか」と
迷いが出やすくなるのでしょう。
もう1つは、
SNSなどでお互いの近況を知っている相手から、
わざわざ「少し前の写真付きのはがき」が届く
ことへの違和感です。
リアルタイムのやりとりが当たり前になった今、
「年に一度の近況報告」という役割は、
年賀状からスマホの画面に移りつつあります。
そう考えると、
年賀状は「情報を届ける」という役割よりも、
「年に一度、相手を思い出すきっかけ」
のほうが、だんだん大きくなっているのかもしれません。
とはいえ、多くの人が悩んでいるのは
「情報」の問題というより、
「関係」のほうでしょう。
年賀状をやめることで、
相手との縁まで切ってしまうような気がして、
踏ん切りがつかない。
記事の中では、
「大切な人だけはがきで残し、
あとはデジタルにする」という
落としどころも紹介されていました。
お墓じまいも、「関係」の話として迷う
このあたりは、お墓じまいの相談でも
よく見かける迷い方かもしれません。
管理が大変になり、費用もかかるので
「どこかで区切りをつけないと」と考える。
けれど、
「お墓をしまう=先祖や親との縁を切る」
ように感じて、簡単には決められない。
「やめる/続ける」ではなく、「器をどうするか」
年賀状じまいもお墓じまいも、
「やめる/続ける」という二択の話に見えます。
しかし、どちらも本当は
「その関係を、どの“器”で残すか」
という問題ではないでしょうか。
年賀状であれば、はがきという器から、
デジタルのメッセージや別のあいさつに
変えることができる。
お墓であれば、
個人墓地から永代供養墓や合祀墓へ。
形を変えながらも、
「故人を思い出す場所」を残すことはできます。
ここまでは、年賀状とお墓で、
構造がよく似ている部分かなと感じます。
決定的に違うのは、「もう会えない人」との関係
ただ、決定的に違う点が1つあります。
年賀状は
「相手が生きているあいだの関係」です。
たとえ年賀状をやめても、
会おうと思えば会えるし、
連絡を取ろうと思えば別の手段は
いくらでもあります。
お墓は、「もう会えない人との関係」を
繋いでいる場所です。
一度墓じまいをしてしまうと、
「そこへ行けば会える」
「そこで思い出せる」
という場所そのものが、失われてしまいます。
この時間の厚みと、取り返しのつかなさは、
年賀状とはまったく違う重さがあります。
「負担が減るかどうか」だけでは割り切れない
年賀状じまいは、紙から別の手段に
切り替えることで、負担を減らしながら
縁をつなぎ直す工夫だと言えます。
一方のお墓じまいは、
「負担が減るかどうか」
だけでは割り切れません。
いろいろな話を耳にしますが、
墓じまいをされた方の中には、
喪失感を覚える人もいるようです。
「楽になるはずなのに、どこか腑に落ちない」
「合祀墓に移したあと、お参りはすれども、
どこか”自分の墓じゃない感じ”がする」
そうした声を聞きます。
それは、お墓をしまうことで、
故人や先祖を思い出す、自分にとっての
「具体的な場」
が変わってしまうことへの不安でもあります。
理屈だけでは割り切れないけれど、
多くの人が共有している
感覚なのかもしれません。
だからこそ、
お墓じまいを考えるときに大切なのは、
「ゼロにする」か「そのまま続けるか」
ではないと感じています。
むしろ、
「どんな形なら、これからの家族に無理がなく、
なおかつ自分たちの気持ちも守れるか」を
家族で探していく作業です。
場所を移すのか、形を変えるのか、
あるいは一部だけ残すのか。
答えは家ごとに違います。
年賀状じまいが
「人付き合いの棚卸し」だとすれば、
お墓じまいは
「家族の歴史との向き合い方の棚卸し」
と言えるかもしれません。
どちらも、「今の自分たちに合った距離感」を
考え直すきっかけになる点においては
よく似ています。
ただ、お墓のほうは、
自分の一存で決めてしまえることでもない。
より、ゆっくり、慎重に進めたほうがよい
テーマであることは間違いありません。
「やめるか」ではなく、「どう残すか」
そんなときは、「やめるかどうか」よりも、
「これから先、
どんな形でこの関係を残していきたいか」
と考えてみるのもひとつの手です。
急いで決めなくてもいいし、
答えは一つではありません。
大切なのは、自分たちが納得できる形を、
ゆっくり探していくこと。
ここです。
今朝のニュース記事を見て、
私はこんなふうに思いました。
では。
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