狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム⑥|補強金具取付と納骨室の据え付け
2025年11月23日(日)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
狛江市の寺院墓地で進めている
外柵リフォーム工事も、順調に進んでいます。
昨日は前日に据え付けた根石への補強金具の
取り付けと本締め、そして納骨室本体の据え付け
作業です。
土曜日、しかも温かい一日ということもあり、
お墓参りの方が多くいらっしゃいました。
カニクレーンの脚を張っての作業のため、幾名
かの方には、お墓へのアプローチで、回り道を
お願いすることになってしまい、申し訳なく思っています。
ありがたいことに、お参りの方々は皆さん
気持ちよく回り道してくださり、本当に助けて
いただきました。
工事中はどうしてもご迷惑をおかけしてしまい
ますが、こうしたご理解があってこそ、私たち
石屋の仕事が成り立っているのだなと感じます。
金具の締め付けは「一晩おいて」から
さて、作業の話に戻りましょう。
カニクレーンを使って据え付けた根石ですが
基礎コンクリートにアンカーを打ち込み、
L型アングル(コーナー補強金具)を本締めするのは
同じ日には行いません。
今日はその金具の本締めから始めます。

アンカーの打ち込みタイミングは、墓所の広さ
によって変えています。
狭い墓所の場合は、石を据え付ける前に
アンカーを打ち込んでおきます。
アンカーは、打ち込み棒をドリルで振動させて
挿入します。しかし墓所が狭いと、ドリル本体
が石に干渉してしまうことがあるのです。
しかし今回の墓所は比較的広い。
そのため、石を据え付けた後でもドリルが入る
スペースがあります。
だから据え付けた翌日に、石が安定した状態で
アンカーを打ち、金具を本締めする手順を
取りました。
「なぜ据え付けた当日に締めないのか」。
そう思われるかもしれませんが、
これには理由があります。
据えたばかりの石に対して、すぐに本締めして
強い力をかけると、石が引っ張られて動いて
しまう可能性があるから。
基本的には石は据えたら動かさない。
せっかく据えた石を動かしてしまっては
元も子もありません。
一晩置いて、接着剤と据付モルタルが適度に
硬化し、石が基礎にしっかり馴染んでから
本締めをする。
弊社では、こうした手順を大切にしています。
トルク管理の重要性
金具の締め付けは、まずインパクトレンチで
ある程度締めてから、最後にトルクレンチで
規定値まで締め上げます。
「インパクトレンチだけでいいんじゃないか」と
思われるかもしれませんが、インパクトレンチは
締め付けトルクが一定しません。
作業者の感覚や、その日のバッテリー状態に
よって締め付け具合も変わってしまいます。
そして、きつく締めればいいかというと、決して
そういうことでもありません。
この工具を使えば、すべてのボルトを同じ力で
適切に締めることができます。締めすぎて石や
アンカーを傷めることもなく、緩すぎて耐震
性能が落ちることもない。
アンカーボルトが適切な設計強度を発揮できる
よう、管理が必要なのですね。
見えない部分だからこそ、きちんと管理する。
これが長持ちする施工の基本だと思っています。
納骨室の据え付け
納骨室は、中央に配置する設計です。
奥行寸法の関係上、納骨スタイルは上からお骨を
納めるのではなく、横から納める様式です。
仕切り石との合わせ目には弾性接着剤を盛り、
増強剤入りの据付モルタルを使って丁寧に
据え付けていきます。
水平や縦入り(垂直)を確認し、目地幅を整えて
接合部の接着剤をしっかりと馴染ませます。

実はこの弾性接着剤、惜しまず使うことが大切
です。接着力は強いものの、量が少ないと接着
面積が不足して、長期的な耐久性が損なわれます。
多めに使えば、それだけ接着面積を広く確保
でき、結果として経年劣化による影響も少なく
て済みます。
これが、お墓が長持ちさせる秘訣なのです。
この点だけは、惜しんではいけない部分だと
私は考えます。
適切な目地幅で、しっかりとした接着面積を確保
しながら据え付けていきます。
見えなくなる部分だからこそ
石をつなぎ合わせる補強金具の締め付けトルク
や、弾性接着剤の使用量。
いつも同じセリフになってしまいますが、
こうした部分は、工事が終われば確認できません。
だからこそ、手を抜いてはいけない部分です。
見えない部分にこそ、石屋の姿勢が表れると思ってください。
お客様が安心して長く使えるお墓を作ること。
それが私たち石屋の仕事です。
言葉で安心を売るのではなく、
仕事で安心を残す。
そのために、こうした一つ一つの工程を大切にしています。
次回は納骨室の補強金具の取り付け・本締めと、
敷石の据え付けに進みます。順調にいけば、
納骨室の棚石や羽目石の据え付けなどにも
取り掛かれるかもしれませんね。
作業終了写真を撮り忘れましたが、だいぶ形
になってきました。
また経過報告をしてまいりますね。
では。
【関連記事|狛江市の寺院墓地で外柵リフォームシリーズ】
狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム①|御影石の外柵へ
狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム②|基礎づくり
狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム③|コンクリート打設
狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム④|丈夫なお墓づくりは下ごしらえから
狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム⑤|根石の据え付け
狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム⑥|補強金具取付と納骨室の据え付け
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