お墓の文字が見えにくい、と感じたことはありませんか
2025年10月13日(月)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
「お墓の文字が見えにくいんです。何か対処法はありますか?」 時々、こんなご相談を受けることがあります。
特に白御影石の場合、「〇〇家之墓」と刻んだ文字が、光の当たり方によってぼんやりして見えることがあります。磨いた部分と、文字を彫った部分の色の差があまりないことが理由です。
ただ、同じ石でもお墓の建つ位置や向き、一日のうちでも朝と夕方で見え方が違います。光の加減や影の影響も大きいんです。
そのため、まずは「本当に見えにくいのか、それとも時間帯や角度の問題なのか」を確認してみるのがおすすめです。
薄く白を入れるという方法
当店では白御影石の場合、正面文字の中に薄く溶いた白ラッカーを入れることが多いです。
濃く入れてしまうと文字だけが浮き立ってしまうため、あえて控えめにしています。

左が彫刻直後のサライ仕上げ、右が薄く白ラッカーを入れた状態。実際はもう少し自然な白さに見えます。
上の写真は、左が文字彫刻サライ仕上げのまま、右が薄く溶いたラッカーを入れた状態です。撮影時間の違いで右側の文字がやや白く見えますが、実際にはもう少し落ち着いた印象になります。
時間が解決してくれることも
たとえ色を入れなくても、建墓して年数を経るうちに文字部分が適度に汚れ、はっきり見えるようになることがあります。
「汚れ=いけないこと」と感じるかもしれませんが、言い換えれば「エイジング(経年の味わい)」です。文字彫刻の部分では、適度な汚れが落ち着きや深みをもたらしてくれることもあります。
建てたばかりの頃に「文字が見えにくいかも」と感じても、数年たつうちに自然と読みやすくなる。そういうケースも多いんです。
地域や石材店によって違いがあります
文字に色を入れるかどうかは、地域や石材店によって考え方が異なります。
白を濃く入れるところもあれば、黒や青を入れる地域もあります。中には金箔を貼るところもあるんです。また、「色は入れない」という考えの石材店さんもあります。
私は川崎市北部という地域で長年仕事をしてきて、「薄く白を入れる」という方法に落ち着いています。けれど、それが正解というわけではありません。地域の風土やお客様の好みによって違ってくるものだと思います。
もし「文字が見えにくい」と感じたら、まずは建てた石材店に相談してみるといいでしょう。現地の状況を見て、最も自然な仕上がりを提案してくれるはずです。
ちなみに、色調の濃い石(黒御影石など)の場合は、刻んだ部分と磨き面とのコントラストがはっきり出るため、特に色を入れなくても文字がよく目立ちます。
では。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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