墓誌台の木の染み抜き、時間をかけてじっくりと
2025年9月17日(水)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
昨日から取り組んでいた墓誌台の染み抜きです。朝にラップをはがして一日乾燥させ、夕方に確認したところ……だいぶきれいになってくれました。

木製パレットが当たってできた茶色い染み。石にじわじわ染み込んでしまっています。
いきなり染みの話から入ってしまっていますが、その原因は墓誌台を保管していた木製パレットが朽ちてしまい、石に長く当たっていたため。木のアクや樹液の成分が、石の表面にじわじわと移ってしまったんですね。最初に見つけたときは「うーん、これは厄介だな」と思いましたが、石を傷めないよう焦らず作業を進めました。
石の染み抜きは、強い薬剤を使えば早く落ちることもあります。でも、それで石の表面を傷めてしまっては元も子もありません。今回は石に優しい中性の薬剤を選び、吸着材と混ぜてペースト状にして、染みに湿布。そして乾燥しないようにラップでくるみました。

薬剤をペースト状にして湿布。ラップで覆って時間をかけて汚れを吸着させます。
24時間おいてラップを外して自然乾燥。その後にペーストに吸い上げられた汚れの抜け具合を確認します。
お彼岸前なので現場仕事も立て込み気味。朝、現場に出るときにラップをはがして自然乾燥させます。

翌朝ラップを外し、自然乾燥させているところ。
そして夕刻に確認です。

ここまできれいになりました(まだ薄く残る部分は再処理予定)
想定通りにかなりきれいに。ぱっと見ではほとんど気にならない状態まで戻せました。ただ、一部にまだ薄く汚れが残っています。とはいえ、今までの経験上、もう一度同じ方法を繰り返せば、さらに目立たなくなるのは間違いないですね。
正直、こういう染みは一度で完全に落とし切れないことも多いです。しかし薬剤がしっかり反応してくれていれば、焦ることはありません。段階的に進めていけば、きちんときれいになります。
今回のように、木材が長く石に触れていると染みの原因になることがあります。もしお墓の石に木の台や板が当たっている場所などがあれば、時々確認していただくといいかもしれませんね。
お墓は建てて終わりではなく、その後も長く付き合っていくもの。こうした細かい手入れも、きれいな状態でお渡ししたいという気持ちの表れです。
地味な作業ですが、こういう仕事が案外大事なんだよなと思っています。
では。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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