川崎市営・緑ヶ丘霊園1㎡墓所工事①|しっかり支える基礎工事

2025年8月19日(火)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

さて、今日作業開始した墓所の施工の様子をブログに記してみますね。8/7にご紹介した市営霊園一般墓所の工事、いよいよ施工開始です。

場所は川崎市営・緑ヶ丘霊園の新区画、1㎡墓所。今年も4月から施工開始になった区画ですが、まだ左右も後ろも工事がされていません。雑草は茂っていますが、逆に作業スペースが広く取れやしやすい現場ですね。

今回の緑ヶ丘霊園の1㎡墓所 周囲はまだ未施工で雑草が茂っています


  • 地盤掘削と砕石転圧

最初は墓域の土を掘削していきます。普通は基礎コンクリートの厚み(約15㎝程度)とその下に入る砕石分を掘ればいいのですが、30㎝以上は掘り下げます。

墓域を30㎝以上掘削。基礎を作るための大切な最初の工程です

そこに40-0砕石(40㎜から0㎜までの砕石)を入れて、ランマーで入念に転圧していきます。20㎝程度を数回に分けて叩いていきます。

いっぺんに敷き込んで転圧するより、確かに手間はかかります。でもこうした地味な作業が後々のお墓を強固にし、長持ちすることにつながるんです。


  • 型枠組みと鋼管杭の打設

転圧を終えたら次の工程。境界のピンにしっかりあわせ、基礎コンクリート用の型枠を組みます。大きなお墓でも小さなお墓でも、広さによって作業の内容は変わりません。見えなくなる部分こそ手を抜けないものです。

そしてここから小口径鋼管杭(φ48×2.5m・JIS規格品)を打ちこみます。

5mの杭を4本用意して半分に切断。1㎡の敷地の8か所に打ち込んでいきます。打ち込み位置は上に石が載るあたりを目安にしての作業になります。

小口径鋼管杭を8本打設中、不同沈下を防ぐ基礎づくり


  • 丘カロート型墓所と不同沈下の関係

どうしてこのような作業をするのでしょうか?それはお墓の不同沈下を防ぐためです。

1㎡のような小ぶりな墓所は、ほとんどの場合『丘カロート型』という形式をとります。この形は敷地全体(石の内側)を納骨スペースとして使えるため、お骨の収蔵数も大きさのわりに多く納めることができます。

丘カロート型外柵のイメージ図。内側全体が納骨スペースです

ただしこの形式は、外柵の上に直接石塔を載せる構造になります。これは違う言い方をすれば、狭めの敷地に集中して荷重がかかるということです。

しかもその荷重は敷地の中心にしっかりかかるのではなく、どうしても少し後ろ側に偏ります。これを偏心荷重といいますが、これがくせ者。

もし墓地直下の地盤が弱ければ、基礎ごと片方に傾いて下がる「不同沈下」を起こしかねません。だからこそ砕石層を厚めにとって、鋼管杭を打設してしっかりと支持させるということなんですね。


  • 鉄筋の組立と本日のまとめ

そしてD-13鉄筋(直径13㎜の鉄筋)を井桁に組み上げます。鉄筋が地面に触れないよう、コンクリ製の「サイコロ」つまりスペーサーをかませてあります。

鉄筋を井桁に組み、サイコロで浮かせる。コンクリ打設の準備完了

これは基礎コンクリートの中心に鉄筋を配置させる、とても大事な作業工程。せっかく配した鉄筋がコンクリートの下に沈んでは充分な強度を持つ基礎コンクリートになりません。

この基礎工事、あとはコンクリート打設をして終了です。その後、養生期間をおいてから石の据付け作業に入っていきます。

本当は今日中にコンクリ打設まで行いたかったのですが、強烈な日差しの下での施工は避けることにしました。暑過ぎる午後の日差しはコンクリートの品質にも優しくありませんので。

基礎工事はお墓の一番大切な部分。暑さに負けず、明朝しっかりコンクリート打設をして、次の工程へと進めていきます。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
お墓以外にも石鳥居や記念碑のお仕事も承っております

似顔絵(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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